辞書を知らない人たちへ伝える底知れぬ言葉の世界……『舟を編む』第2話 | RBB TODAY
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辞書を知らない人たちへ伝える底知れぬ言葉の世界……『舟を編む』第2話

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『舟を編む~私、辞書つくります~』第2話 (c)NHK
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 25日、池田エライザ主演のプレミアムドラマ『舟を編む~私、辞書つくります~』(BSP4K/BS)の第2話が放送された。辞書の編集部を舞台とした作品の意味を考えされられた。

 第2話。製紙会社・あけぼの製紙の営業・宮本慎一郎(矢本悠馬)が「大渡海」のために紙を開発。ところが馬締(野田洋次郎)は紙質に「ぬめり感」がないとダメ出し。ぬめり感があると、指に吸い付くようにページがめくれているにも関わらず、紙同士がくっつくことはない。さらに馬締は、辞書をめくるストレスから辞書が廃れてしまう危険を訴えていた。辞書になじみがある世代はもちろん、彼のような編集担当が、辞書に対して並々ならぬ“こだわり”と自負を持っていたことに気づかされる。辞書を引く機会が少ない現代人にとっては、なおさら目から鱗の事実かもしれない。

 また、同ドラマでは、辞書が単なる用語説明ではないことにも気づかされる。「恋愛」という語釈について、主人公のみどり(池田)は「異性同士だけのものじゃないですよね」と疑問を呈する。限定した言葉が、異性同士以外の人を排除してしまうのではと不安視したのだ。つまり、言葉が人々の生活に寄り添っていることが分かる。一方、監修者の日本語学者・松本朋佑(柴田恭兵)は、こう反論する。「恋愛」という意味を、“異性同士”でなく「“特定の2人”が互いに強く慕い合うこと」にした場合、言葉をイメージできるかと諭し、「冷静で平等な言葉の観察者でなければならない」と述べていた。1冊の辞書には、編集をめぐって様々な物語があるのだ。みどりは「恋愛」の語釈をまかされることになる。

 前回の放送では「右」という意味をどう人に教えるかが議題にあがっていた。みどりは失恋し、朝日を見ながら涙を流す。そしてその経験から「朝日が昇る『東』を向いた時、あたたかい『南』風に吹かれて涙が先に乾く方が『右』」という解釈を説明する。この場面に広辞苑の公式Xも反応、「『広辞苑』の「右」はそっけなく、第三版から「南を向いた時、西にあたる方」ですが、当時この語釈を作った先人にもこの方角を選ぶに至る物語があったのかもと想像が広がります」とポストし、ドラマに共感している。

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《杉山実》
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