目次：
・あらすじ
・登場人物＆キャスト
・見どころ
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■筆者プロフィール
山根由佳
編集者・校正士・写真家のマネージャーなど複数の草鞋を履くフリーライターであり、海外ドラマ＆映画の熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。X（Twitter）：@ymndayo
山根由佳
編集者・校正士・写真家のマネージャーなど複数の草鞋を履くフリーライターであり、海外ドラマ＆映画の熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。X（Twitter）：@ymndayo
あらすじ
警察学校に通うキム・ジヨンは、勉学もスポーツも秀でており、教授たちからも一目置かれる優等生。「罪に対して刑期が短いから再犯が減らない。反省しないヤツは更生できない」と問題提起する同級生に対しても、「俺たちは更生を信じるべきだ」と加害者側に有利な現法を支持する発言をし、表向きは法を徹底的に守る人物として過ごしている。しかし、週末は別の顔「ヴィジランテ」として暗躍。「犯した罪に対してあまりにも軽い判決が出た者」「軽罰で済んだにも関わらず同じ罪を繰り返している者」をターゲットに、自ら犯罪者たちに制裁を行なう。
登場人物＆キャスト
キム・ジヨン役：ナム・ジュヒョク
理不尽な理由で自身の母親を目の前で殺害され、その犯人が軽罰判決となり絶望した経験を持つ、警察学校の生徒。犯人への復讐を皮切りに、法律の穴をかいくぐり反省せずのさばる犯罪者たちに、正義の鉄拳を下すように。テレビ局の報道番組により「ヴィジランテ」と名付けられ、警察から追われるようになる。昼間は文武両道な模範生、夜間は“本当の正義”のもと無慈悲で暴力的となるジヨンを演じるのは、ナム・ジュヒョク。ドラマ『スタートアップ:夢の扉』『二十五、二十一』などで見せた爽やかな笑みは鳴りを潜め、二面性を持つダークヒーローで新境地を切り拓いている。
チョ・ホン役：ユ・ジテ
広域捜査隊捜査チーム長。指先だけで小銭をぐにゃりと折り曲げてしまうなど、強靭な肉体の持ち主。ヴィジランテは一過性の犯罪者に過ぎないという信念を持ち、彼を追い詰めていく。ヤクザ顔負けの威圧的な人物を演じているのは、ドラマ『ペーパー・ハウス・コリア： 統一通貨を奪え』などのユ・ジテ。彼の登場により『ヴィジランテ』の空気感はガラリと変化する。
チョ・ガンオク役：イ・ジュニョク
DKグループの副会長。幼い頃に見た『バットマン』を通じて“本物のヒーロー”になることを夢見たが現実にぶつかり、その代わりジヨンを“本物のヒーロー”としてプロデュースするようになる。ドラマ『秘密の森』にて善悪の狭間にいる役柄で高評価を得ていたイ・ジュニョクがガンオク役に。
チェ・ミリョ役：キム・ソジン
上昇志向のジャーナリスト。ジヨンが手がけた事件に対していち早く関連性を見出し、「ヴィジランテ」と名付けて報道。その後もヴィジランテの動向を最前線で追っていく。竹を割ったような性格のソジンを演じたのは、映画『ザ・キング』『モガディシュ 脱出までの14日間』などのキム・ソジン。珍しい赤髪姿が似合っている。
見どころ
1.ダークヒーローを通じて届ける強烈なメッセージ
原作は、2018年から2021年にわたって連載された同名漫画。2000年代に発生した実在事件をモチーフにしていることも多く、その中には大統領国民請願も行なわれたものもある。国民が司法制度への不満を溜め込む中、軽罰待遇の犯罪者たちへの憤りを少しでも晴らせるという点で人気を博した。
ドラマ版でもそのメッセージ性を引き継いでおり、第1話のミリョの台詞が象徴的だ。「法は国民を守らない。法は加害者の味方だ。お粗末な法律と判決で甘すぎる罰を受けた加害者たちを誰かが正当に処罰してるんです。大衆が何を求めてるのか分かりません？ 弱者には厳しく強者には甘いこの時代に法が裁けなかった罪を誰かが暴力で裁いてる。そんなダークヒーローを求めています」被害者よりも加害者の人権を優先するなど、韓国の法律には穴があり、“本当の正義”とは何なのかを訴えている。
1、2話では主にヴィジランテの誕生が描かれたが、2話目最後にホンが登場。3話目以降は追跡劇なども加わり、よりエンタメ要素が増えていきそうで楽しみである。
2. ヴィジランテを取り巻く個性際立つキャラクターたち
ヴィジランテ（＝ジヨン）を地獄の果てまで追いかける勢いのホン、ヴィジランテに傾ける情熱が異様であるミリョ、そして世のヴィジランテ騒ぎに便乗するガンオクと、アクの強いキャラクターたちが物語に絡み合っていく。それぞれの本当の狙いとは……。
3. 後半につれて光るナム・ジョヒョクの表情演技
同名原作コミックでは、ジヨンは初期より不敵な笑みを浮かべていたが、ドラマ版でその狂気じみた表情が披露されたと言えるのは、ホンと対峙した時だろう。ジヨンの正体を暴くも逮捕はせず妨害までに留めるホンに対し、どこか呆れているような笑い顔を見せるようになる。ホンが自身同様に殺人経験を持っていると察知して共感を覚えつつ、そんな彼と理解し合えない悲しみも感じているのだろうか。
4. 分かりやすい展開が功を成した！俳優陣の演技にも魅了
予想を裏切られる映像作品も楽しいが、その場合は驚愕と落胆の差が激しい。それに比べて本作。ここまで予想が当たるのは気持ちいいものだ。なので、シーズン2があるとしたら、なんとなくどんな展開になるのか見えてしまうのだが、それでも欲してしまうのは、俳優たちの魅力にある。
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