「DHL Trade Atlas 2025」発表:米国の政策転換にもかかわらず、世界貿易は成長 - PR TIMES|RBB TODAY
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「DHL Trade Atlas 2025」発表:米国の政策転換にもかかわらず、世界貿易は成長

・世界貿易は2024年に回復、今後5年間は、過去10年間を上回るペースで成長すると予測 ・米国の関税発動および各国の報復措置があったとしても貿易の拡大は見込まれるが、その拡大ペースはより緩やかに

2025年3月12日ボン / ニューヨーク発:DHLとニューヨーク大学スターンビジネススクールは、このたび、「DHL Trade Atlas 2025」を発表しました。これは、世界貿易における最も重要なトレンドの包括的な分析を提供するものです。地政学的な緊張や関税引き上げの懸念が広がる中、本レポートはデータに裏打ちされた知見を掲載し、200近い国と地域を網羅しています。


「DHL Trade Atlas 2025」(全292ページ)の表紙
昨年のトランプ米大統領の再選を受け、今後の貿易政策には不確実性が漂っています。しかし、「DHL Trade Atlas 2025」は、世界貿易の成長が最近の混乱に直面しても、驚くほど回復力があることを証明しています。米国が関税引き上げ政策に着手しても、このパターンは継続する可能性が高いといえます。




過去10年間と比較して貿易成長率が加速
最近の予測では、モノの貿易額は2024年から2029年まで、年平均3.1%で成長すると予想されています。これは、GDP成長率とほぼ一致しており、過去10年間と比較すると、貿易成長が若干速まっていることを示しています。米国の新政権が関税引き上げをすべて実施し、他国が報復措置を取ったとしても、世界貿易は今後5年間、成長すると予想されますが、そのペースはかなり鈍化します。

DHL ExpressのCEOであるジョン ピアソンは「DHL Trade Atlas 2025は、非常に勇気づけられる知見を明らかにしました。先進国であれ新興国であれ、貿易成長には依然として、大きな可能性があります。2008年の金融危機や新型コロナウイルス感染拡大、関税や地政学的な紛争など、考えうるあらゆる難題に国際貿易が耐え続けているのは印象的です。今日のグローバルなビジネス環境において、DHLはコストとリスクのバランスが取れたアプローチを確立することで、お客様のサプライチェーンを再評価し、効率性と安全性の両立を確実にすることができます」と述べています。
貿易成長における新たなリーダー:インド、ベトナム、インドネシア、フィリピン
2024-2029年で、貿易増加のスピード(成長率)と規模(絶対額)の両方で上位30カ国に入る国は、4カ国、つまり、インド、ベトナム、インドネシア、フィリピンと予測されています。また、インドは、中国(12%)、米国(10%)に次いで、予測される貿易増加の絶対額が3番目に大きい国(追加的な世界貿易の6%)としても際立っています。貿易成長の絶対額が最も高いと予想される国々は、アジア、ヨーロッパ、北米に広がっています。同時に、貿易の伸びが最も速いと予測される国には、アフリカやラテンアメリカの国も含まれています。

世界の主要地域別では、2024-2029年にかけて、貿易量の伸びが最も急速なのは、南・中央アジアサハラ以南のアフリカ、ASEAN諸国であり、年平均成長率は5%から6%と予測されています。その他の地域はすべて、2%から4%の成長が予測されています。
長距離貿易の新記録
顧客により近い場所で生産するニアショアリングへの関心が広がっているにもかかわらず、「DHL Trade Atlas 2025」は、貿易の地域化が進行していないと示しています。実際の貿易の流れは、逆の傾向を示しています。2024年1~9月期には、全貿易品目の平均輸送距離が過去最高の5,000キロメートルに達した一方で、主要地域内の貿易比率は51%と過去最低を記録しました。
米国の政策転換にもかかわらず、楽観視できる理由
「DHL Trade Atlas 2025」では、米国の貿易政策がより強化されているにもかかわらず、世界貿易の将来を楽観視できる理由がいくつか挙げられています。引き続き、貿易を重要な経済機会として追求している国々がほとんどで、米国の貿易障壁は、米国以外の国々同士の結びつきを強める可能性があります。また、トランプ政権による関税の脅しの多くは、当初の提案とは異なる内容で決着したり、国内インフレの急上昇を防ぐために延期されたりする可能性もあります。さらに、世界の輸入に占める米国の割合は現在13%、輸出に占める割合は9%で、米国の政策が他国に大きな影響を与えるには十分ですが、世界貿易の将来を一方的に決定するほどではありません。

NYUスターン経営未来センターのDHL Initiative on Globalizationの上級研究員かつディレクターであるスティーブン アルトマン氏は、「世界貿易システムに対する脅威は深刻に受け止められなければなりませんが、世界貿易は経済や社会に大きな利益をもたらしていることから、大きな回復力を見せてきました。米国は貿易から手を引くことは可能ですが、大きな犠牲を伴います。しかし、他の国々が米国に追随することはないでしょう。というのも、貿易から手を引くことで、より深刻な影響を受けるのは小国だからです」と述べています。
中国製製品は米国への新たなルートを見い出す
「DHL Trade Atlas 2025」は、地政学的な要因による貿易パターンの変化に関する最新情報を提供しています。米中と緊密な関係を持つ同盟国間の貿易は2022~2023年には、各ブロック内貿易と比較して減少したものの、こうした減少はわずかであり、2024年には継続しませんでした。

米中間の貿易割合は減少していますが、意味のある「デカップリング」を構成するほどではありませんでした。米中間の直接貿易は、2016年、世界貿易の3.5%から、2024年1~9月期には2.6%に減少しました。しかし、米国は依然として、中国からの輸入シェアを他の国々と同程度に維持しています。また、米国の対中国輸入が過少報告されていることを示唆する証拠もあります。さらに米国が他国から輸入している商品に中国からの輸入も考慮したデータからは、米国における中国製製品への依存度の有意な低下は見られません。


「DHL Trade Atlas 2025」10の主要なポイント

「DHL Trade Atlas 2025」
「DHL Trade Atlas 2025」は、世界貿易とその見通しに関する豊富なデータに基づく知見と分析を特徴としています。同レポートは、ビジネスリーダー、政策立案者、教育者、学生、メディア、そして関心のある一般の方々に、最新情報を提供します。世界貿易、GDP、人口の99%以上を占める約200の国と地域の貿易パターンを1ページにまとめた簡潔なプロフィールが収録されています。

dhl.com/tradeatlasでご覧いただける無料のインタラクティブ・コンテンツは、本レポートの新機能です。このウェブサイトで、ユーザーは特定の国、地域、商品のカテゴリーごとに分析をカスタマイズし、貿易動向を調べることができます。さらに、データや画像をダウンロードするための便利なオプションも用意されています。

本レポートは、DHLの委託により、NYUスターンビジネススクールのスティーブン A アルトマン氏とキャロライン R バスティアン氏が執筆しました。2025年1月までのデータと予報を更新して、2025年2月に最終版を作成しました。




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