3月30日放送の『情熱大陸』(MBS/TBS系)で、俳優・モデルの鈴鹿央士が特集される。
「ここが“鈴鹿央士”のはじまりの場所です」そう言って鈴鹿が案内したのは、岡山県にある母校の昇降口。高校2年生のとき、学園モノの映画にエキストラとして参加し、主演を務めていた広瀬すずの目に留まったことがスカウトのきっかけになった。芸名は、「すず」にあやかって命名されたものだ。
2019年、デビュー作となった映画『蜜蜂と遠雷』で、風来坊の天才ピアニストを演じ日本アカデミー賞新人俳優賞に輝く。当時19歳の初々しい表情は、素と演技の境がわからなくなるほど自然で、天衣無縫な役柄に見事にハマった。演技経験がほとんどないなか、オーディションにサンダル履きで臨んだという逸話もある。

取材が始まったのは2022年、大きな話題となったドラマ『silent』のクランクアップ直後。帰路の車中で大切なノートをスタッフに見せた。そこには、役について監督と交わした会話や、自分なりにまとめた人物相関図に加え、水道光熱費や税金など、月々の支払いを几帳面にメモしたページも。いわく「支出を把握できてないと怖くて…」。
昨年撮影に臨んだ映画『花まんま』は、カラスと会話ができる研究者役。その生態に一喜一憂したり、フィアンセ(有村架純)とその兄(鈴木亮平)に振り回されたり、大真面目でありながら滑稽さを求められる役所。初挑戦となるコミカルな演技に四苦八苦する鈴鹿だが、監督の前田哲は“令和の笠智衆”と最大級の賛辞を送り、「鈴鹿央士が演じることで成立する役がある。ちょっと褒めすぎか(笑)」と語る。
プライベートで訪れた憧れの韓国、パリ・コレクションのため渡ったフランス、そして地元・岡山の思い出の地。会うたびに異なる表情を見せる25歳は、俳優として成長期真っ只中にある。