『第75回NHK紅白歌合戦』の出場歌手である星野源が26日、歌唱楽曲を変更する旨を公式サイトで発表した。
もともと2013年にリリースされた6thシングル『地獄でなぜ悪い』を歌唱する予定だった星野。しかし同楽曲をめぐっては、かつて性加害問題が取り沙汰された園子温監督の同名映画の主題歌であったため、なぜ『地獄でなぜ悪い』をわざわざ選曲したのか――という疑問の声が相次いでいた。
こうした反響を受けて、星野はスタッフとの連名で「『第75回NHK紅白歌合戦』出場楽曲変更について」と題した文書を公式サイトに掲載。まず同楽曲については、2012年にくも膜下出血で倒れ、その闘病期に星野が作詞した楽曲であること、歌詞の内容は星野の個人的な経験・想いをもとに執筆されたものであること、映画のストーリーを音楽として表現したものではないことを伝えている。
一方で「すでにSNS等で指摘されているように、のちに性加害疑惑を報道された人物が監督した映画の主題歌であること、映画タイトルにある『地獄』というワードにヒントを得たこと、映画タイトルと同名の楽曲であることもまた事実です」とも伝えており、「この曲を紅白歌合戦の舞台で歌唱することが、二次加害にあたる可能性があるという一部の指摘について、私たちはその可能性を完全に否定することはできません」とした。
さらに『地獄でなぜ悪い』を選曲した理由については「『アーティストの闘病経験を経て生まれた楽曲で、いま苦しい時代を生きる方々を勇気づけてほしい』という、紅白制作チームからの熱意あるオファーを受けて選定された」と説明。「しかし、そのオファーの意図から離れ、真逆の影響を与えうるのであれば、それはオファーを受けた私たちの想いに反してしまいます」「そのため、今回同曲を歌唱することを取りやめることにいたしました」と変更に至った経緯について言及した。
なお紅白制作チームと協議の結果、放送当日は『ばらばら』を弾き語りするとのこと。