(以下、物語の内容にふれるネタバレあり)
第6話でホン・テラ(イ・ジア)の姉、ホン・ユラ(ハン・スヨン)がテラの夫であるピョ・ジェヒョン(イ・サンユン)に殺されるという衝撃の展開となったが、その後もハヌル精神病院長のキム・ソンドク(シム・ソヨン)が殺され、バイク事故で何年も昏睡状態が続いていたチャン・ギョジン(ホン・ウジン)が目を覚ますなど波乱が続く。
過去に起きたいくつもの事件が交錯し、カオスな状態となっていることから「頭の中を整理したい!」と思っている人もいることだろう。
そこで今回は、物語が後半に突入していくにあたり、主要人物たちのまわりで一体何が起きているのか、簡単にまとめてみた。
あらすじ:
ホン・テラ(イ・ジア)は、急成長するIT企業ハッチの会長で韓国大統領候補の夫、ピョ・ジェヒョン(イ・サンユン)と一人娘のジウンと3人で幸せに暮らしていた。しかし15年前の事故で失った記憶が戻ったテラは、自分がかつて「No.50」と呼ばれる凄腕の殺し屋だったことを思い出す。そして親友のコ・ヘス(チャン・ヒジン)との間にも深い溝ができてしまった。
何者かによって「ホン・テラ」としての人生を歩むことになってしまったことを恨むテラ。そして父の暗殺事件の黒幕を突き止めようと躍起になるヘス。2人の人妻に待ち受ける運命は…?
登場人物
●ホン・テラ(イ・ジア)

本作の主人公。15年間記憶をなくしたままだが、IT企業ハッチ社の会長を夫に持ち、一人娘・ジウンと3人で幸せな生活を送っている。しかし記憶が戻ったことで、自身の壮絶な過去と向き合うことになる。
●ピョ・ジェヒョン(イ・サンユン)

テラの夫で、急成長するIT企業ハッチの会長で、次期韓国大統領に立候補するが、裏の顔がある人物。
●コ・ヘス(チャン・ヒジン)

YBCのニュースキャスター。父は元韓国大統領で15年前に暗殺される。夫は財閥クムジョの次男、チャン・ドジン。
●チャン・ドジン(パク・ギウン)

ヘスの夫。IT企業ハッチの社長で、財閥クムジョの次男。育ちが良く性格は良いが優柔不断。
●ク・ソンチャン(ポン・テギュ)

IT企業ハッチの研究所長。研究者としての腕は高いが、ジェヒョン、ドジンに対して劣等感を抱いている。
●ホン・ユラ(ハン・スヨン)
テラの姉。ドジンと不倫をしながら、ソンチャンとも関係を持つしたたかな女性。ジェヒョンに殺害される。
●キム・ソンドク(シム・ソヨン)
ハヌル精神病院の院長。表向きは社会貢献をしている病院の院長だが、別棟で殺し屋を養成している人物。
●チャン・グムモ(アン・ネサン)
ドジンの父で、クムジョの会長。ヘスの父親殺害の真実を知るジェヒョンを目の敵にしている。
●チャン・ギョジン(ホン・ウジン)
ドジンの兄。バイク事故で何年も昏睡状態が続いているが、ある日意識を取り戻す。
●チャ・ビルスン(クォン・ヒョンビン)
テラのボディーガードとして雇われるが、実の弟だと判明。
ホン・テラの過去に何があった?

テラはハヌル精神病院の院長、キム・ソンドク(シム・ソヨン)に育てられた「No.50」と呼ばれる凄腕の殺し屋だったことが分かっている。15年前、弟を守るためにハヌル精神病院から逃亡したところを、ソンドクの部下であるチョ・ギュテ(コン・ジョンファン)らに追われ事故に合い瀕死の状態となるが、ある人物に助けられホン・テラとして生きることになる。
テラの本名は、ムン・ハギョン。もともとは両親と弟・ハジュンの4人で幸せに暮らす、平凡な家族だった。しかし20年前に巻き込まれた交通事故が原因で、幸せな生活は崩れ去ってしまった。両親は事故死し、テラは弟と2人きりになったのだが、その事故が不可解だったことから警察に再捜査を願い出る。しかしその行動があだとなり、ソンドクらに拉致され、「No.50」として生きることになってしまったのだ。
テラはコ・ヘス(チャン・ヒジン)の父親の元韓国大統領、コ・テソン(チャ・グァンス)を暗殺した人物だと思われていたが、実行犯はテラの弟、ピルスン(クォン・ヒョンビン)だと判明している。
しかし殺し屋としていくつかの罪を犯し、弟を守るためとはいえ、ハヌル精神病院の院長も殺害してしまった。テラは今後どのように生きていくことを選択するのだろうか?
ピョ・ジェヒョンの正体は?

IT企業・ハッチの会長で、次期韓国大統領に立候補しているピョ・ジェヒョン(イ・サンユン)は、愛妻家で一人娘をかわいがる理想的な夫…と思いきや、15年前、テラがハヌル精神病院から弟とともに逃亡した際に遭遇した事故からテラを救い「ホン・テラ」の人生を与えた張本人であることがわかった。
ジェヒョンは20年前、母親で医師のキム・ソヒ博士とともに車に乗っているところを、クムジョグループ会長の指示で動く部下によって襲われ、母親のキム博士は亡くなってしまった。
キム博士が開発した脳神経障害の治療薬・オキシマトリンの技術を盗むことが目的だったクムジョグループ会長は、キム博士亡きあと、横取りした技術を海外に売っている。ジェヒョンとクムジョグループ会長の因縁は、ここからスタートしたのだ。
ジェヒョンと母親の事故を目撃し、巻き込まれてしまったのがテラで、5年後にハヌル精神病院から逃亡し、事故に合ったテラと再会したジェヒョンは、すべてを運命だと勝手に感じ、テラの人生を変えてしまったというわけだ。
ジェヒョンはクムジョグループ会長を深く憎んでいるわけだが、テラの力を借りて何をしようとしていたのか。そして大統領になって何を企んでいるのか?
コ・ヘスの狙いは何?

元韓国大統領の父を持つヘスは、父を殺したのがテラだということを知り、憎悪を募らせる。しかしこの事件に黒幕がいることをヘスは分かっており、その黒幕が一体誰なのか、ジャーナリストとしてのコネクションを使って究明しようとする。
そして、夫のチャン・ドジン(パク・ギウン)の父、クムジョグループ会長のチャン・グムモ(アン・ネサン)が、黒幕だったことが判明。親友同士だったテソンとクンモだが、大統領になったテソンが、クンモの汚職を暴くと言ったことで殺害計画が実行されてしまったのだ。
義理の父が黒幕だったことを知りヘスは狼狽し、不仲だった夫・ドジンとの仲が修復するかと思った矢先の出来事だったので、大きなショックを受ける。すべての真実を知るジェヒョンに脅されたドジンが選択したのは、父とクムジョグループを守ること。それによってヘスは殺されかけてしまう。
間一髪ヘスはテラに助けられるが、改めて2人が対峙した時、ヘスはテラに「私が死ねというまで苦しんで生きろ」と激しく当たる。
第10話で、ヘスは敵だとわかっているはずのジェヒョンに助けを求めていた。その狙いは一体何か?
長い眠りから目覚めたドジンの兄・キョジン
そしてジェヒョン、ドジン、ソンチャン(ポン・テギュ)とともにバイクレースをしていたドジンの兄・キョジン(ホン・ウジン)が、バイク事故で意識不明の状態から復活した。この事故も謎に包まれていて、何者かがバイクに細工をしてキョジンを殺そうとしたことが分かっている。
その背景には、かつてキョジンに無断で、ジェヒョン、ドジン、ソンチャンの3人が、足の不自由だった女性・スジョンに人体実験を行って死なせていたことが関係している。
キョジンは、ずいぶん前に意識を取り戻していたようだが、意識が戻っていないふりをして、ジェヒョン、ドジン、ソンチャンの会話を聞いて証拠をつかもうとしていた。キョジンは決定的な証拠をつかんでいるのだろうか?
そしてテラとの関係も明らかになった。ジェヒョンと結婚する前、フランスからの飛行機の中でテラと出会っているキョジン。その時にテラの聡明さに惹かれていたようだが、ジェヒョンが一方的に「テラは僕の婚約者」と紹介したことで、キョジンは自然に身を引いている。
意識を取り戻した時、キョジンが最初に頼ったのはテラだった。今後、2人の関係はどうなっていくのだろうか?
テラVSジェヒョン、ヘスVSドジン 2組の夫婦の行く末は?

もつれた糸が絡み合うように、テラとジェヒョン、ヘスとドジンの2組の夫婦は、修復不可能な状態となってきた。
テラはジェヒョンへの憎しみを募らせ、一人娘のジウを弟のピルスンに託し、フランスへ逃がそうとしている。そしてなんとしてでもジェヒョンが大統領になることを阻止しなければならないと考えたテラは、ハヌル精神病院長とジェヒョンの関係を世の中に暴露し、大統領選に出馬することを断念せざるを得ない状態にジェヒョンを追い込んだ。
最新話で、自分の計画をテラに邪魔されたジェヒョンは「俺を怒らせたな…」とつぶやき、2人の関係が泥沼化していくことが示唆されている。
そしてヘスとドジンの関係も同様だ。
父親と会社と守るために、愛する妻を見捨てたドジン。ドジンに裏切られ続けたヘスの怒りはすさまじいものだろう。すでに離婚届にサインをしている2人。復讐の鬼と化したヘスは、なぜかジェヒョンに近づくのだが、その意図は何か。
ドロドロの復讐劇は、始まったばかりだ。
『パンドラ 偽りの楽園』
ディズニープラス スターにて3月11日(土)より独占配信開始
(C)STUDIO DRAGON CORPORATION & CJ ENM Co., Ltd, All rights reserved.
(全16話)
■筆者プロフィール
咲田真菜
舞台・映画・韓国ドラマの執筆を手掛けるフリーライター。映画『コーラスライン』でミュージカルに魅了され、あらゆる舞台を鑑賞。『冬のソナタ』で韓国ドラマにハマって以来見続け、その流れで韓国映画、韓国ミュージカルにも注目するようになる。好きなジャンルはラブコメ、ファンタジー、法廷もの。ドロドロした愛憎劇は苦手。好きな俳優はイ・ビョンホン、イ・ジョンジェ、ヒョンビン、キム・ドンウク、チャン・ギヨン。いつか字幕なしで鑑賞したいと韓国語を勉強中。