同作は、2020年本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた凪良ゆうによる小説を映画化したもの。広瀬が、10歳のとき以来、誘拐事件の“被害者”というレッテルを貼られて生きてきた女性・家内更紗(かないさらさ)を、松坂がその事件の“加害者”としてのレッテルを貼られて生きてきた当時19歳の佐伯文(さえきふみ)を演じる。

撮影を振り返り、広瀬は、血糊を「あんなにガッツリ」経験したことが初めだったと明かした。現場では毎日、血糊を付けていたといい、「ゾンビ映画とか大変だなあ」と思ったそう。ただ、血糊で特殊メイクをすることに対しては「役者さんとして、何となく憧れがあったといいますか」などといい、「『あっ、映画だな』と思いました」と声を弾ませた。MCから「いつか、ゾンビ映画とか?」と声を掛けられると、広瀬は、ゾンビのジェスチャーをしながら「こっち側ですか? 練習しておきます(笑)」、「次は、ぜひ、ゾンビで(笑)」などとにっこり。松坂も、「やりたいね。ゾンビね」とやる気満々の様子で言葉にした。

この春に新社会人となった若者たちからの質問に2人が答える企画も行われた。役者という職業に対して「何でこの仕事をしているのだろう?」と疑問を持ったときにどう前に進んだのかを尋ねられると、広瀬は、「すごく言い方が悪いのですが、このお仕事を、“すごくしたくて、したくて”というよりも、姉(広瀬アリス)が先にやっていて、なんとなく、お姉ちゃんの後ろをついていった感覚の方が私の中ではすごく強かったです」と語り始めた。役者の仕事を始めたばかりの頃は、「いつ、辞められるのかな」などと「ずっと思っていました」とも。ただ、辞めるに辞められないでいたときに、「今、これを辞めても私には何も残っていない」と思ったり、周りと比べられたりする中で「どうしても負けることが悔しくて」などと続けた。「悔しいから、中途半端すぎるから、絶対にやってやろう」という気持ちで役者を続けてきたことを告げ、気づいたら好きになっていたり、「これしかない」と感じるようになっていたエピソードを、新社会人たちに語った。