韓国作品といえば、昨年世界的にヒットした『イカゲーム』『地獄が呼んでいる』のほか、『愛の不時着』や『海街チャチャチャ』などの恋愛ものも秀作揃いだが、学生時代の甘酸っぱい初恋を振り返りながら描く同作も、「どこか温かい気持ちになれる」「一途に思い合っている2人がステキ」と、人気を集めている。今回はそんな本作で、ヒロイン・ヨンスを一途に思い続けるウンを演じている俳優、チェ・ウシクの魅力に迫りたい。
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映画『パラサイト 半地下の家族』で注目を集めた実力派俳優
チェ・ウシクは、1990年生まれの現在31歳。2011年にドラマ『チャクペ-相棒-』でデビューした後、第92回アカデミー賞を受賞した映画『パラサイト 半地下の家族』(2019年)では、主人公の家族・キム家の長男のギウ役を演じ、注目を集めた若手実力派俳優の一人だ。
『その年、私たちは』でヒロインのヨンスを演じているキム・ダミとは、映画『The Witch 魔女』(2018年)以来、2度目の共演となり、前作とはまた違った2人の対峙に、視聴者の注目が集まっている。
無邪気な自由人を演じるチェ・ウシク
※以降、一部ネタバレあり
そんなチェ・ウシクが同作で演じているウンは、無邪気な自由人で、のんびりした性格の癒し系男子。31歳ながら、幼さが残るウンの高校生時代を演じる姿には、ネット上で「ウシク君は、制服が似合いすぎ!」「31歳には見えんのよ」「25歳のキム・ダミと同い年に見えるの何?」と驚きの声が上がっているほか、ツンデレなヨンスを一途に愛し尽くす姿には「ウシクがワンコにしか見えない!」「飼い主のために頑張っている犬みたい。可愛い」と、母性本能をくすぐられる視聴者が続出している。
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不器用で固いヨンスの心を「愛」で解かしていくウン
劇中で、ウンはヨンスに比べて裕福な家庭で育ち、祖母との生活でバイトや勉強に一生懸命なヨンスとは、まるで正反対の生き方をしている。第13話では、ウンが実は大学を卒業していなかったことを知ったヨンスが「学費を払って何年も通ったのよ。もったいないわ」と驚くシーンがあるが、このときウンは「そもそも大学に行ったのは、君と離れたくなかったからだ」「卒業証書は必要な人がもらえばいい」と、当然のように主張する。
この場面に象徴されるように、ウンにとって世間体や他人の評価は些細なことであり、ウンが人生で“愛情に勝るものはない”という価値観の持ち主であることが分かる。これは幼少期に実親に捨てられらたトラウマを、人知れず抱えて生きてきたウンだからこそ、自然に備わった信条なのかもしれない。
そんなウンは、冷徹な性格で出世欲が強いヨンスとは、いがみ合ってばかり。しかし一方で、強く生きることしかできない不器用なヨンスの固い心を、温かく迷いのない愛で包み、解かしていくのも、ウンにしか成しえない技量なのだろう。
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人気アイドルNJの誘いになびかないウンの安定感
出世欲もなく現状維持……本来は、そんな性格の持ち主であるウンだが、ヨンスと再会した際には、メディアに注目される新進気鋭の画家に成長。ノ・ジョンウィが演じる、男性との恋には百戦錬磨の美人アイドルNJに気に入られ、アプローチを受けるも、いたって冷静でなびかず、一本気な性格なところも、女性視聴者が惹きつけられる理由の一つなのだろう。
同作では、せりふだけでなく繊細な表情で、恋の切なさや幸福感などの様々な感情を表現しているチェ・ウシク。高い演技力を持つ彼の活躍を、これからも期待して見守りたい。
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※Netflixシリーズ『その年、私たちは』独占配信中