著者である広島出身の庭田氏と渡邉教授は、AI(人工知能)技術で自動カラー化した写真をもとに、対話の場を生み出す「記憶の解凍」プロジェクトに取り組んでいる。同プロジェクトは、庭田氏が高校在学中の2017年にスタート。「記憶の解凍」においては、AI技術でモノクロ写真を自動カラー化したのち、戦争体験者と直接対話。SNSで寄せられたコメント、当時の資料などをもとに手作業で色彩が補正されている。
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
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この過程において、モノクロ写真の印象が大きく変化。遠い昔の戦争が現在の日常と地続きになり、写し込まれたできごとにまつわる対話が創発するという。同書では、こうした研究成果をまとめ。戦前の広島・沖縄・国内の様子や、開戦から太平洋戦線、沖縄戦・空襲・原爆投下、そして戦後の復興など、個人提供による貴重な写真や、朝日新聞社・共同通信社提供の写真、アメリカ軍が撮影した戦場写真など約350枚がカラー化され、収録されている。