「4DX」とは、映画のシーンに合わせてモーションチェアが前後・上下・左右に動いたり、頭上から雨が降ったり、顔や足下に風が吹きつけたり、においが漂ったりといった20種類以上の演出効果が稼働し、映画を目で見るだけでなく体全体で体感できるシステム。本作の「4DX」版は昨年12月20日より全国の4DXシアターで公開されているが、今回の「4DXフォースエディション」は、この「4DX」システムによるさまざまな演出効果を従来よりパワーアップしたバージョンだ。
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ヒロインのレイ(デイジー・リドリー)が森の中を駆け抜けるシーンでは、モーションチェアの上下左右の動きや振動、HEAVE(波打ち)効果によってキャラクターの動きを細かく再現。木々の匂いを感じられる香りも出され、首筋や足下に空気が噴出されることで風を感じられる効果も演出されている。
レイが荒れ狂う嵐の中でカイロ・レン(アダム・ドライバー)と闘う場面では、嵐を表現するかのように頭上から霧が降り注いできた。まるで理髪店でいきなり頭に霧吹きをかけられたような突然の攻撃に驚かされる。
レジスタンスの船に乗った時の浮遊感もモーションチェアの揺れ動きによって味わえる。光線銃が発射される瞬間には首筋に空気が噴射される。スクリーンの動きに合わせて座席の背もたれからも、時折、背中のツボを押すマッサージチェアの指圧のような動きが繰り出される。さまざまな方法を駆使した不意打ちの連続に、約2時間20分の上映中、ドキドキハラハラの高いテンションが持続し、退屈することはない。
ただ、これらの効果によって物語への没入感が本当に高められているかどうかについては、見方が分かれるかもしれない。なにしろ場面によっては座席の振動が激しすぎるのだ。もっとも各劇場ごとに、対応している「4DXフォースエディション」の演出効果には違いがあるそうなので一概には言えない。
ともかく、従来の「4DX」版に飽き足らず、もっと全身で本作を味わってみたいという人には、今回の「4DXフォースエディション」はお薦めであることは間違いない。
本作は日本では2020年のお正月映画として興行収入・動員数ともに1位を記録し、公開27日目の1月16日時点でトータル興行収入62億円、観客動員数414万人を記録する大ヒットとなっている。それだけに「4DXフォースエディション」公開初日の1月17日は混雑を覚悟していたが、私が鑑賞した東京・池袋のグランドシネマサンシャインでは夕方17時5分の上映回はスムーズに入場できた。これまで見逃していた人には今がチャンスかもしれない。
なお、館内のアナウンスで、上映開始前にドリンク類はすべて飲み終えるよう指示された。ドリンクやポップコーンなど座席の振動で周囲に飛び散る恐れのある飲食物は持ち込まないほうが無難だ。
映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の「4DXフォースエディション」は、全国の4DXシアターにて公開中。
(TEXT:角谷)