■円柱型の形状がユニーク
モバイルプロジェクターというと、たいていはお弁当箱ぐらいのサイズの四角いものが大半だが、この製品は円柱型というのが大変個性的だ。この形状、じつはカバンへの収まりが大変よい。サイズ的には500mlのペットボトルと同じ高さで、太さはペットボトルより一回り小さく、ちょうど250mlのスチール飲料缶と同じ太さでその長さは1.5倍といったところだ。
本体サイズはレンズ垂直時で約W50×D50×H190mm。この本体のレンズ部を回転させて、垂直方向(0°)と水平方向(90°)に投影の向きを変えられる。回転させた状態(レンズ水平時)のサイズは約W50×D77×H165mmだ。明るさは100ANSIルーメン、microHDMI入力、USBメモリ対応、3.5mmステレオミニジャック搭載で、リモコンが付属する。投影確度は0°か90°に固定されてしまうが、台形補正があり、三脚等を用いれば投影方向に柔軟性が持たせられる。
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本体は充電式で、最大約3時間で満充電でき、バッテリー動作時間は連続最長約80分というスペックだ。もちろん、ACアダプタを接続した状態で、充電しながら本体を使用することも可能である。ワイヤレスで動作するというのは、モバイル環境で、出先のちょっとした場所でプレゼンテーションするのに大変便利だ。
プロジェクターの明るさは100ANSIルーメンで、十分明るいとは言えないが周囲の証明を落とせばそれなりに実用に耐える程度だ。スクリーンサイズの目安は最短15インチから300インチ程度まで。プロジェクターの解像度は854×480で、入力対応解像度は、1024×768、1280×720、1280×1024、1440×900、1776×1000、1920×1080となっている。PCとはHDMIで接続する。iPhone/iPadは、Apple Digitai AVアダプタを介してHDMIで接続、Androidスマートフォンは、MHL対応であれば、MHL変換アダプタを通してHDMIで接続すればOK。
■実際の使い勝手は
本製品は、回転式のレンズ部をくるりと回すことで垂直方向と水平方向に向きを変えて投影できる。ただし、水平方向は90°固定のため、テーブル等に置いて使用するには投影位置が低すぎてしまう。せめて斜め上方向に投影できればより実用性が高そうなのに残念。底部に三脚取付ネジ穴穴があるので、小型の三脚等に取り付けて角度調整するなどの工夫が必要そうだ。
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ちなみに垂直方向での使用としては、そのまま直立させて天井に投影するという使い方になる。確かに天井をスクリーン代わりに使うというのはアリなのだが、意外に日本の建物は天井面が白くないものだ。筆者の身の回りで白い天井面を探したら、寝室だけだった。まあ、これはこれで活用できそうだ。静かなBGMが流れる絶景動画などを流しながら床に就くのも良いかもしれない。
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投影の際には少々工夫が必要な製品だが、しかしこの形状はじつに持ち運びに便利そうだ。よくあるお弁当箱型のモバイルプロジェクターは、カバンに入れて持ち運ぶ場合に、どうしてもカバンに厚みが出てしまうので、筆者は好んで使用しない。しかし、この円柱型の本体は、カバンの中に大変納まりが良い。とくに最近はペットボトルポケットを備えたカバンも多い。円柱型の本体は、ペットボトルポケットにちょうど収まりが良く、これであればプロジェクターを持ち歩く機会が一段と増えそうだ。
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本製品は、microHDMIポートからの入力のほか、USBメモリ経由で、画像、映像ファイルをダイレクトに再生する機能も備えている。対応するファイル形式は動画がAVI、WMV、MOV、MP4、RM、MKV、3GP、画像がPNG、BMP、JPGだ。
それでは続いて、このモバイルプロジェクター400-PRJ025が一般的なビジネスプロジェクターにどこまで迫れるのかを比較レビューしてみたい。筆者が日常的に大学のゼミ室で使っているプロジェクターは、ビジネスプロジェクターといっても市販価格50,000円前後で購入できる機能を最小限にとどめたプロジェクターで最大輝度は2,600ルーメン、解像度は800×600という低スペックのものだが、日常的なプレゼンテーションでの利用に不足は感じない程度のものだ。
まずは実際のスクリーンに投影した際の明るさを比較してみたい。モバイルプロジェクター400-PRJ025の輝度は100ルーメン、対してビジネスプロジェクターのほうは2,600ルーメンだ。またスクリーンは100インチサイズで、実際の投影部分はおよそ85インチ(1,881×1,058mm)程度になっている。モバイルプロジェクターを使ってここまで大きく投影するというのはあまり現実的ではないスペックと考えていただきたい。
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では続いて、レンズのクオリティを比較したい。本体を小さく設計したモバイルプロジェクターの多くは、スクリーンの隅のほうで文字が歪んだりするもの。投影サンプルとして、パワーポイントを用いたスライド映像(文字、写真)、数字を並べたエクセルのシート、静止画などを用意した。各プロジェクターの最小入力解像度(モバイルプロジェクターは1,024×768、ビジネスプロジェクターは800×600)で表示させた。
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ビジネスプロジェクターとの違いは、何といってもプロジェクター自体の明るさで大きな差がついている感じだ。解像度に関しては低価格帯のビジネスプロジェクターとさほど差を感じなかった。モバイルプロジェクターはレンズも小さいために、投影映像の周辺部がにじむことが多いが本製品は文字の判読には不都合は感じない程度だ。再現できる表示色が少ないのか(スペックに記載なし)、画像や映像の投影は苦手のようだ。といっても簡易的なプレゼンテーションで使うにはこれで十分であろう。
■モバイルプロジェクターのニーズはますます高まる
プロジェクターを持ち歩くというシチュエーションはまだそう多くはないと考えるが、もしかしたらいずれはモバイルプロジェクターもビジネスマンの必携品になる日が来るのかもしれない。たとえばPCやタブレットを持ち歩いて、客先で資料等を提示するのに使うシチュエーションは日常茶飯事だ。しかし、テーブルを囲む程度の人数であればそれでも済むが、もう少し人数が増えた際にプレゼンテーションする場合はプロジェクターのほうが効果的であろう。
プレゼンテーションは、きちんと相手に伝えたいことが伝わらなければ意味がない。日ごろから学生たちにも自分の考えをきちんと相手に伝えることの重要性を説いているが、そうしたプレゼンテーションにおいて情熱を伝えられる効果はスクリーンの大きさに比例していくと考えている。
さらに、昨今はプレゼンテーションする機材として、PCに代わってスマホだけで済ますケースも増えてきた。パワーポイントやキーノートなどのアプリがスマホ向けにも提供されているし、クラウドに保存しているスライドデータにいつでもスマホからアクセスしてプレゼンテーションするシチュエーションは随分と増えた。モバイルプロジェクターを持ち歩けば、プロジェクターが用意されている会場に限定されることなくスマホと組み合わせてどこでもプレゼンテーション可能になる。持ち歩く荷物もミニマムだ。
本製品は、これまでのモバイルプロジェクターにはなかった円柱型というユニークな形状によって他の製品を圧倒する持ち運びやすさを備えた。いつでもカバンに忍ばせておくことが可能である。一方で、アダプター自体は小型なのでこれも持ち運びに不便はないのだが、充電ポートをmicroUSB等汎用のものにしてくれればアダプターの持参も不要になる。スマホとの連携や持ち運びという点でさらなる向上を期待したいところだ。
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プレゼンテーションがきっかけで思いがけないチャンスを手にするかもしれない。そうしたプレゼンテーションの機会は、いつ訪れるか分からない。だからこそ、いつどんなタイミングでもプレゼンテーションできるこうしたアイデア製品的ガジェットが充実していくことは本当に喜ばしい。