液晶プロジェクターの普及以来、プロジェクターが用意された会議室は普通に見かけるようになったし、持ち運べるサイズのプロジェクターも常識となっているが、フェリクロスが展示していたのは、もはやポケットサイズとも呼べるもの。ポイントは「小型化」と「オールインワン」だ。プロジェクターを使ったカラオケデモも実施されていて、気軽に持ち運びができ、セッティングも力いらずととにかくお手軽、という印象だ。
●「手のひらプロジェクター」の時代?
ブースでは、自社のスピーカー内臓小型プロジェクター「Pico Cube」とともにHPの代理店として同社のプロジェクター4製品を展示していた。
・Pico Cube
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まずは、Makuakeで展開された「Pico Cube」だ。“そのボディは55×55×55(mm)というコンパクトサイズ。スピーカー内臓小型プロジェクター”と銘打っているだけあって、これ1台で視聴環境が完結する。
スペックをかいつまんで紹介すると、解像度は最大1920×1080ピクセル、投影距離18~250cm、インターフェイスはMini HDMI×1、オーディオ出力、Micro SD×1、電源(Micro USB)というもの。また、Wi-Fiも搭載し、AriPlayやmiracastにも対応している(ただし、動画視聴に関しては有線での接続を推奨)。
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同社では、その小ささを利用して、ベッドの“上に”、上向きにポンと置き天井に投射したり、キャンプでクルマのボディに投射したり……といった利用シーンを想定している。視聴環境が完結している小型デバイスということで、ビジネスシーンは当然ながら個人ユースでの使い方が、工夫次第で大きく広がりそうだ。
価格も一般販売価格4,3000円(税抜)と10万円台のイメージがあるプロジェクターとは一線を画しており、ファミリーユースなどライトユーザーへのウケもよいという。
フェリクロスではまた、自社のPico Cube以外にもHPの小型プロジェクター4製品を展示していた。これらは米国でも販売がスタートしたばかり。HPでの小型プロジェクター開発を聞いた同社がいち早く代理店契約を結んだことで、日米でほぼタイムラグなく展開が始まることとなった。
・HP OP800
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HPの4製品のうち、フェリクロスのブースにてHP製品を紹介していたGlobal AiptekのJeny Chang氏がイチオシしていたのが「HP OP800」(税抜16万7000円)だ。こちらは150×150×217mm(W×D×H)・2.1kgというサイズ・重量ながら、スピーカーとマイク端子も備えたオールインワンのプロジェクターとなっている(バッテリも内臓)。外部との接続はWi-Fi、Bluetooth、USB 3.0×2、MicroUSB×1、HDMI入力で、内部には16GBのストレージも備える。明るさは800ルーメン以上で、解像度はHD WXGA(1280×800ピクセル)。
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スピーカー・マイク端子を備えていることから、会議室にこの1台をポンと置くだけで準備OKとなる気軽さが特徴だが、Chang氏がおススメするのは、ずばり「カラオケ」。本体にカラオケ用のデータさえ入れておけば、持ち運べるカラオケマシーンになるというわけで、ブースではカラオケのデモンストレーションも行われていた。
・HP IP400
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125×95mm(W×D)という小さな面積のHP IP400は、本体が重箱のように3分割される(3体合体か?)という驚きの機構を備える。
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最上部は厚さ15mm、重量160gの、タッチパネルを供えたタブレット部(OSはWindows 10)で、中段が厚さ33mm、重量320gのプロジェクター本体、下段は厚さ25mm、重量405gのバッテリとなっている。必要により、バッテリなしで持ち運んだり、タブレットなしで持ち運ぶ……という展開が可能。プロジェクター部はプロジェクションソースとしてタブレットはもちろん、HDMIの入力も可能だ。明るさは400ルーメンで解像度はHD 720p(1280×720ピクセル)。タブレット部はWi-Fi、Bluetooth、USB2.0、Micro USB 2.0など、各種外部インターフェイスを備えているほか、32GBの内部ストレージも有する。
・HP MP100/HP MP120
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MP100とMP120は、いずれも厚さが25mm以下という薄型の小型プロジェクターで、バッテリ駆動するのも特徴だ。解像度はいずれも854×480ピクセルだが、MP120は明るさが120ルーメン、MP100が100ルーメンという製品名そのままの違いのほか、コントラスト比がMP120が1500対1、MP100が1200対1という差異が存在する。
PicoCubeもそうだが、このMP100および120は、その扱いやすいサイズやバッテリ駆動も可能である点、そして従来のプロジェクターに比べるとお手ごろ感のある価格など、プロジェクターの活躍シーンが、これまでのビジネスやAVファンからファミリーをはじめとしたライト層に広がっていく嚆矢となりそうだ。スマホ撮影した家族の写真や動画を、テレビではなくプロジェクターを使ったより大きな画面で楽しむ人々も、増えていくかもしれない。
ビジネスシーンのみならず、ホームユースでの活用も広がりそうな小型プロジェクター、なにより従来品より低価格と言うのも魅力的だ。物理的な画面共有は、なにより周囲との一体感を生むわけなので、カラオケも含め、ある意味コミュニケーションツールとしても、注目したい。