■健康寿命の伸びに貢献!
トーンモバイル 代表取締役社長の石田宏樹氏が登壇して説明した。同社の提供する健康増進サービスには、引き続き東京都健康長寿医療センター研究所の青柳幸利博士が協力していく。サービスの肝となるのは、1日に8000歩以上の運動のうち「中強度」の運動として速歩きを1日20分以上続けることで、日本の医療費の2/3を占める「生活習慣に関わる10の疾患」の発病リスクを1/10に抑えられるという通称「中之条メソッド」だという。

今回のアップデートでは、利用者の過去の2ヵ月の運動・身体活動実績から”罹患率”を割り出して表示する機能を追加した。具体的には、がんになる確率が4%、糖尿病が8%、うつ病が2%などと数値で表される。現在の身体の状況はS~Dにグループ分けされ、1日の歩数や活動量の目標が設定される設計。ユニークなのは、目標を達成したり、より高評価のグループに上がるとTポイントが付与されるという点だ。石田氏は「利用者の健康意識を向上させ、健康寿命の伸びに貢献できる」とアピールする。

さらに「ライフログ」の新機能には「お薬ナビ」を追加。処方された薬の情報を登録することで、薬の飲み忘れを防いだり、薬局の予約がおこなえる。具体的には、服用時間になるとリマインドのアラームが鳴る、3日間飲み忘れると登録しておいた家族などに通知が送られる、というような具合。トーンモバイルならではのサービスと言える。

では運動をしないと、どうなるか。長押しでしか閉じられない、健康に関するTipsを紹介するポップアップが出現して「TONEが使いにくくなる」(石田氏)という。ちなみに、このポップアップは設定で出現しないように変更することも可能。Tポイントのために、あるいはスマホの使いやすさのために利用者を運動させる、というのは面白い発想だ。
■「おためしレンタル」をスタート
このほか、最新機種「TONE m17」がTSUTAYA店頭で借りられる「おためしレンタル」を始める。Tカード(レンタル機能付)と本人確認書類を確認後、面倒な書類なしですぐに貸し出されるという。返却もTSUTAYA店頭でおこなえる。料金は(当面は)7泊8日で無料となっている。12月上旬より、TSUTAYAの取り扱い店舗(58店舗)で順次導入される予定だ。

レンタル中に利用可能な機能は、IP電話(合計30分まで)、データ通信、高速チケット(1GB)、TONEファミリー、各種アプリなど。貸出時の初期設定、返却時のデータ初期化は店頭のNFCチップに端末をかざすだけでおこなえる。目の前でデータが初期化されるため、返却時も安心とのことだった。

■ジュニア、シニアの取り込みに注力
いまトーンモバイルが注力しているのは、ジュニア層およびシニア層の取り込みだ。子ども向けにはこれまで、夜10時から朝6時まで端末に利用制限をかける、子どもの帰宅時に親のスマホに通知が届く、子どもの1日の行動をレポートにして親に届ける、といったサービスを提供してきた。またシニア向けには、特殊詐欺を未然に防止する「あんしん電話」、マークシートを撮影するだけで端末の設定がおこなえる「撮るだけ設定」などを提供してきた。この結果、2017年10月末時点でトーンモバイルの利用者層は10代が34%、50代以上が34%と顕著な内訳になっている。

石田氏は、価格競争ではない差別化されたサービスを提供していけば、まだまだMVNO市場には成長の余地があると説明する。今後はジュニア層、シニア層が自ら欲しがるような、そんなサービスを追加していくとのこと。斬新な発想と独自の特許技術でMVNO市場を開拓しているトーンモバイル。伸び悩む他のMVNO事業者は、学ぶところがありそうだ。

※シニアへの詐欺被害を防ぐ取り組みも