店頭で実機を見ると、メタリックブラックのがっしりとした本体の横に展示されている、リアルな「釜」がとりわけ目を引く。昔のかまどで使うようなそのまま「釜」の形をした黒いお釜部分の重厚感はインパクト大。どうやらこれこそが『極め炊き』を実現する「南部鉄器極め羽釜」らしいのだが、その実力のほどは?
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今回は、男3人女1人の4人家族、無洗米こしひかり5キロ1900円を愛食する極めて平凡な我が家でこの象印の圧力IH炊飯ジャー『極め炊き』を実際に試してみた。
■高火力高圧力のヒーターと、南部鉄器の釜
届いてまず衝撃をうけたのはその重さ。『極め炊き』の重量は約11キロ。しかし、蓋を開けた途端、南部鉄器の職人がひとつづつ鋳型を作って切削しているという「釜」だけの重さではなく、炊き釜の上にかぶさる内蓋も、蓋や外枠の作りも、「機械」として作られているから余計に重いのだと納得する。
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蓋には開ける時と同じボタンを押せば、蓋に触れずに閉めることができる「スマートクローズ」機能がついている。ご飯をついだ茶碗としゃもじを両手にもっていても、簡単にしめることができるというわけだ。
「釜」の周囲にめぐる「羽」部分は本体のかまどヒーター部分にふたをして熱を閉じ込め、火力を高めて熱を滞留させる働きがあるとのこと。そうすれば角度のある釜底とあいまってお米が豪快にかきまぜられ、よりふっくらと炊き上がるのだという。「はじめチョロチョロ中パッパ」の「中パッパ」部分で最大1450Wの火力を発揮し、最大1.5気圧の高圧力を実現してお米を甘くするらしい。
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■感想入力で121通りの「自動炊き分け」やオリジナルな炊き方メニュー
精密な「機械」だからこそ炊飯時のメニューも多い。しゃっきりからもちもちまで、7通りに圧力で炊き分けをするだけでなく、冷めても美味しいという「お弁当」、鉄器ならではの「鉄器おこげ」や、15分で炊き上げる「白米特急」など様々なメニューがある上に、炊きあがりの感想を入力すると121通りの中から好みの食感に自動で炊き上げる「我が家炊き」メニューまで揃っている。我が家は無洗米のため、シンプルに「無洗米」を選択した。
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■凄まじい蒸気だが、炊きあがりは「ふっくらうる艶」の甘み。でも......
さて、炊きあがりまで60分を待つ中で気になったのが、その炊飯時の「音」だ。常時シューというはっきりとした炊飯音がする上に、時折強烈な吐息のように吐き出す音は、家族が「何?」と顔をだすほどの音量だ。別府温泉の地獄めぐりすら思い出させる蒸気と吐き出し音だけあって、蒸気吹き出し口にはびっしりと水滴が。「蒸気セーブ」機能があるとはいうものの、普通に炊く場合には換気扇に近いところに設置しないと周囲に水滴がついてしまうかもしれない。

炊きあがりのきらきら星のメロディーとともに、いざ、実食。我が家にはうん年前購入の炊飯ジャーがあるので、食べ比べをしようとこちらでもまるっきり同じ米で同時に炊飯を行った。