ヤマハは7日、自社開発の「人工知能演奏システム」を用いて、20世紀のピアノの巨匠、故スヴャトスラフ・リヒテルの往年の演奏を、自動演奏ピアノ「Disklavier(ディスクラビア)」で忠実に再現し、かつ世界的名演奏家集団であるベルリンフィル・シャルーンアンサンブルの演奏に合わせて、その演奏を柔軟に変化させるかつてない実験にトライした。 本来、故人との共演は到底叶うものではないが、人間の演奏を理解し、その演奏に合わせて自動演奏を行うことができる「人工知能演奏システム」を使用すれば、それが擬似的に可能となる。 同システムは、マイクとカメラを用いて、共演者の演奏音や演奏時の動きを検出・分析し、次の瞬間に行うべき演奏を逐次予測しながら、自動演奏ピアノ「Disklavie」に演奏をリアルタイムに指示することで、人間とアンサンブルを奏でることが出来るようになっている。 また、システム自らが、ピアノ演奏を表現する映像を、リアルタイムに生成してプロジェクターで投影することで、共演者と協調を図る機能も備え、単純に自動演奏ピアノで音源を再生するのではなく、共演者の演奏に合わせて、人口知能がピアノ演奏を柔軟に変化させることができ、さらに自らの演奏の息遣いを共演者に伝えることで、息のあったアンサンブルを実現することが可能というわけだ。 披露した曲目は、シューベルト ピアノ五重奏曲イ長調 D667 「鱒」の第4、第5楽章で、演奏を聴いた観客からは大きな拍手が沸き起こり、シャルーンアンサンブルのメンバーからは笑みがこぼれたそうだ。 シャルーンアンサンブルの代表であるペーター・リーゲルバウアー氏は、この試みをエレクトロミュージックなどで活用すると、また面白い結果が得られるだろうとコメントしているほか、共同研究者である東京藝術大学の副学長であり、作曲家でもある松下功氏は、AIに勝った負けたという話題が多いなかで、今回の試みはAIと「一緒に生きる喜び」を提示できた例であるなどとしている。
処理性能、AI機能も進化!「Google Pixel 9」「Google Pixel 9 Pro XL」 2024年8月23日 Google Pixel 9とPixel 9 Pro XLが登場。AI機能や処理性能が向…
【Interop Tokyo 2018】「WLX313」はヤマハ初のトライバンド対応AP!接続台数や通信の安定性が向上 2018年6月14日 ヤマハは6月13日、幕張メッセで開催中の「Interop Tokyo 2018」…