高岡氏は、現代社会について「ひとり暮らし、あるいは2人で暮らしている世帯が全体の60%にも上るなど、核家族化が進んでいる。いまや4人家族は少数派。ひとり暮らしの世帯では、1杯のコーヒーを飲むためだけにお湯を沸かすことを面倒に思う」と指摘した。 そこで、次の段階として世帯同士のコミュニケーションに注目した。「いまの時代、家族といっても離れ離れ。家族間のコミュニケーションが図れるサービスで、この問題を解決したい」と高岡氏。具体的には年老いた親を田舎に残している人、単身赴任の人などにこのバリスタ iを訴求していきたい考えだ。 今後の展開として、音声アシスト機能に対応したエージェントアプリとの連携機能を追加することが明かされた。開発にはソニーモバイルコミュニケーションズが協力する。同エージェントアプリでは「コーヒーを淹れて」といった注文のほか、インターネットで調べたい単語の検索、天気予報の情報の取得、友人へのメッセージの送信などを音声アシスト機能により実現する。自然な対話が成り立つことで、孤独感の解消にもつながるという。 新製品の価格を従来機種と同じ水準に据え置いた理由について、高岡氏は「ひとり世帯はコーヒーの消費量は少ない。でも、ひとり暮らしだからこそバリスタのようなものが必要になる。できることならマシンの値段をタダにして、その代わりずっとコーヒーを飲んでもらいたい。必要な人に投資して、需要をつくっていくことが大事。これはマシン本体の値段で稼がなくてはいけない家電メーカーではできないこと」と説明していた。