東京ビッグサイトで開催されていた医療・福祉業界向けの製品・サービス展示会「HOSPEX Japan 2015」(ホスペックスジャパン2015)に出展していたパーソナルは、指紋認証を用いたロッカーなどの展示を行った。 今回、デモ展示された指紋認証式ロッカー「パーソナル1 YOROI」は、公共スペースなどに設置することを想定した荷物の一時預かりを行うための製品となる。 一般的に、ロッカーと言えばキーを用いたものや、ダイヤルを用いた暗証番号入力式のものが主流だが、同製品では人間の指がカギとなる。これにより、キーの紛失や暗証番号の漏洩によるセキュリティリスクをなくし、利用者の安全性や利便性を実現している。 利用時は、各ロッカーのトビラに設置されている指紋認証端末に、自分の指をかざしてスライドさせれば施錠され、再度、指紋認証を行うとトビラが解錠される。指紋の登録というと、抵抗を感じる人もいるかもしれないが、同製品は、1回の利用ごとに指紋データがリセットされていくため、指紋データが蓄積されることはないという。仮に利用者が荷物を取りに戻ってこない場合でも、管理者がロックの解除を行う事もできる。 通常のキーやダイヤル式のロッカーと比べると、導入費用は高くなるが、2013年1月から同製品を導入している立命館大学びわこ・くさつキャンパスでは、導入以来、盗難被害は出ていないとのこと。また、同製品にはデジタルサイネージなどを搭載できるため、広告を募ることで導入費用に充てる方法もあるという。 公共施設やスポーツクラブの更衣室など、盗難被害を防ぎたい企業や自治体などでの利用を想定している。同製品は、いわゆる有料のコインロッカーではなく、無料ロッカーを想定したものだが、技術的にはコインロッカーに対応させることも可能だという。 また、同社ではロッカーの他にも指紋認証技術を用いたセーフティボックスや、書類保管用キャビネットなども展開しており、マイナンバー対策としても活用可能だ。