セキュリティ関連機器を扱う企業の多くは、ショールームを持っていることが多いが、基本的に一般に開放していることが少なく、エンドユーザーはなかなか見に行くチャンスがないのが実情……。そこで本連載では、一般のエンドユーザーに代わって企業のショールームを訪問し、各企業の特長や技術を紹介していきたい。 第3回は、住宅から公共施設まであらゆる出入り口の安全維持に欠かせない製品を提供する日本カバの「Kaba東京ショールーム」(東京都港区赤坂2-21-8 赤坂山田ビル1F)だ。 本ショールームでは、セキュリティゲートの導入を考えている顧客向けに、実機を見て、触れて、体験でき、さらに営業担当者による説明を受けることができるショールームとなる。 現行のラインナップの中でも人気の定番製品を中心に展示し、定期的に入れ替えも行っているという。●堅牢な作りながら利用者に優しいセキュリティゲート まずは、競技場や工場などの外周セキュリティ用を想定した「ケンタワー」シリーズ。各メーカーの認証機器に対応しており、回転ドアの要領で中に入ることができる。バー扉は、モーター駆動なので、大きな力を加えなくても回転するため、女性や高齢者、子どもでも手を添える程度で回転する設計になっている。 オプションになるが、入り口で認証し、半分回転した段階で生体認証などを使ってもう1度認証させることでセキュリティを高める「2回認証」に対応。また、共連れ防止センサーと連動させることで、1人分の認証で2人同時に入ろうとする不正侵入も防ぐことができる。●クルマだけでなく人の侵入も抑止する車両ゲート 続いては、工場や施設の正門や通用門、駐車場での利用を想定した車両ゲート「ロードバリア」シリーズ。一般的に車両用のセキュリティゲートの場合、踏切のようなバー状のものや重厚な鉄扉が採用されているが、本製品はバーとアルミ格子を組み合わせたものになっている。バー状では防げない人の侵入を抑止でき、鉄扉だと時間がかかった開閉も素早く行えるのだ。 ちなみにバーが上がる際には、アルミ格子がたたまれ、上がりきった時にはバー状となる。また、オプションになるが、ループコイルで車両、赤外線ビームセンサーで人を検知できるので、誤って操作した場合にもバーが閉まらない仕組みになっている。●体重センサーとICカード認証を組み合わせたシステム 最後は、データセンターやサーバルームなどの高セキュリティが求められる環境での導入を想定するパーソナル・インターロック「オーソス」シリーズ。電話ボックスのような外観の内部に入り、カードリーダーにICカードをかざすと、体重センサーで利用者の体重を測定し、ICカードと体重データを紐付ける。もし、退出時に体重データが一致していないと出られない仕組みで、持ち出しなどの不正行為が防げるのだ。 他にも、フラップ式ドアを採用したセキュリティゲート「アルゴス」シリーズや、回転式のバーを使ったセキュリティゲート「ケルベロス」シリーズ、ドアなどのカギのセキュリティを向上させる交換用ディンプルキーなど、日本カバの多種多様なセキュリティ製品が展示されていた。 現在のショールームは、東京・赤坂にあるが秋頃にはスペースを拡大して蒲田に移転する予定もあるという。