今年のShowNetのテーマは、「Scratch and Rebuild the Internet- phase1:tough core, soft edge, for future apps」だ。昨年、Interopは20周年を迎えた。しかし、近年の状況を見ていると、今後も現在の形のままでインターネットが本当に残っていけるのかどうかという点には疑問があるという。そこで従来までのインターネットの技術・構築・運用を見つめ直す時期に来ているのではないか? と考えたそうだ。ShowNetの技術メンバーは、今後10年間の技術課題を見据えて、まずShowNet自体の解体と再構築にチャレンジしていく方針だ。
ShowNetの今年の全体的の見どころについて簡単にみていこう。まずネッワーク系のL2/L3の見どころは、ShowNet全体の世界感が非常に整理され、分かりやすくなったことだという。従来までのShowNetでは、統一された運用ポリシーにより各組織で管理された1つのAS(Autonomous System)でネットワークを構築・運用していたが(通常の大規模なISPのネットワークでは固有のASを形成する)、今年からASを2つに分けるコンセプトにしたそうだ。まず1つめのAS(AS290)は、事業者・キャリアを模写し、来場者や出展社にネットワークを構築するISPとしての役割を果たものだ。もう1つはクラウドのAS(AS131154)として、NFV(Network Function Virtualization:サーバ仮想化をネットワーク機器に応用したもの)やコンテンツ・デリバリを模写。そしてASを超えたSDNのよるパス交換を世界で初めて試みている。
ラック内のサーバやルータといったIT機器に配電するためのPDU(power distribution unit)には、200V対応を利用することで高密度実装を可能にした。100V系ではリアルタイムに消費電力が表示されるPDUや、アウトレット単位で開閉を制御し、スケジュール運転ができるPDUを用いている。効率的な給電を展開できように工夫を凝らしているそうだ。
《井上猛雄》