両耳の聴力を失った作曲家として知られる佐村河内守氏が、作曲を自ら行っていなかったことが発覚した問題で、佐村河内氏のCD等を販売するレコード会社・日本コロムビアが5日、公式サイトで謝罪した。 佐村河内氏を番組で紹介し、同氏が注目されるきっかけを作ったNHKの発表によれば、同氏は自らは作曲しておらず、代わりに作曲していた人物がいることを明らかにし、「曲の全体構成や曲調などをその人物に伝えたが、自分では曲を作っていない」と語ったという。 日本コロムビアにも、佐村河内氏の代理弁護人から連絡があり、10数年前より自身の作曲活動において記譜行為などの一部の作曲行為を特定の第三者の手によって行ってきたことが明かされたという。 同社は、これまでに発売した同氏の作品については本人から「自分が作曲した作品である」との説明を受けていたとし、さらに著作権管理団体に登録されていることを確認した上で販売を行ってきたと釈明。 しかし、結果として作曲者について不適切な表示だったこと、また、創作活動の背景などについても誤った表現をしたまま販売活動を行ってきたとして、「この点につきましては、商品の発売元として責任を痛感しており、深くお詫び申し上げます」と謝罪。「今後は、当社としても今回の事態に関する事実関係を精査した上で、再発防止策を検討して参ります」とした。 佐村河内氏は、聴力を失った作曲家として“現代のベートーベン”などと称され、交響曲第1番「HIROSHIMA」や、ゲーム音楽「鬼武者」などで脚光を浴びた。