【木暮祐一のモバイルウォッチ】第38回 Androidスマホのフラッグシップになるか？LG G2速攻レビュー

IT・デジタルスマートフォン

2013年10月4日（金） 19時39分

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■ソフトウェア面でも光る操作性

　操作性の工夫は随所に及ぶ。スリープした状態のスマートフォンを起動させる時、Androidスマートフォンの多くは電源ボタン等、ボタンのプッシュ操作が必要だが、G2はディスプレイ面を軽くダブルタップすることでロック解除画面が表示される。これがG2から備えられた「KnockOn」機能だ。同様にディスプレイ上部をダブルタップすることで、端末をスリープさせることも可能。

　また、3本指で画面をスワイプすることで起動中のアプリのうち直近に使用した3つのアプリ画面を重ねて表示できる「Slide Aside」機能は、これまでホームボタン長押しなどで操作していたアプリの切り替えをより簡単にしてくれる。

　G2は前面ボタンは備えずディスプレイ下部のソフトキーでAndroid OSの各機能を操作するタイプの端末であるが、このソフトキーはカスタマイズも可能で、ボタン内容を変更したり、4ボタンにするような変更も可能となっている。これまで他のメーカー製端末を使っていて、端末操作が手になじんでいるという人も安心してG2に乗り換えられるというわけだ。

　カメラ機能では、メインカメラは13メガピクセル、インカメラは2.1メガピクセルで、メインカメラは光学式の手ブレ補正機能付き。9点オートフォーカスや、前面カメラと背面カメラ同時に撮影するデュアルモードなども備える。動画撮影ではガンマイクのような指定した部分の音を拾って録画できる「Auido Zoom」機能や、指定した物体をフォーカスしつづける「Traking Zoom」といった機能が用意されている。

■LTE関連技術面でも評価が高いメーカー

　先だって発売されたiPhone 5s/5cでは、LTE方式の対応について、各キャリアが提供する対応周波数帯域に完全対応せず、多くのユーザーが分かりにくさを感じたようだが、G2の場合はおそらく日本正規販売品であれば、発売キャリアの周波数帯域には完全に合致させて供給されると思われるので心配は無用だろう。というのは、LGエレクトロニクスではこれまでも発売国のニーズに細かく対応し、満足度の高い製品を世界に供給してきた。さらに言えば、LTE方式に関しては技術的にも他の端末メーカーより信頼性が高い。というのは、LGエレクトロニクスはLTE方式の仕様策定の段階から積極的に関与し、LTE方式が世界でスタートした2011年9月時点でLTE関連技術特許を23%も保有していた。LTE関連技術特許数では世界一の保有数になるという。つまりLTEに関しては、何かとノウハウを積み重ねているのだ。

　その証拠に、このグローバル版のG2でも最新のLTE技術を網羅。すでに海外の一部のキャリアでサービスが開始されている、または予定されているVoLTE（LTEネットワークで音声通話を実現させる技術）や、LTE-Advanced（韓国で先行。最大150Mbpsで通信が可能な次世代LTE方式）にも対応しているのである。日本正規販売品では、こうした仕様は省かれる可能性もあるが、少なくとも現在入手可能なAndroidスマートフォンで、最新のLTE関連技術仕様に対応した端末の1つとして、少なくとも数年は安心して利用ができるはず。

　LGエレクトロニクスは、テレビやディスプレイ、冷蔵庫など、白物家電の分野でも世界的に知られているメーカーである。こうした白物家電というのは故障は許されないし、誰でもが使いやすくなくてはならない。LGエレクトロニクスはユーザーのニーズや生活スタイルを徹底的に研究し、製品づくりに活かしているという。海外におけるG2のテレビコマーシャルでは「Learning from You」というキャッチフレーズが使われているが、このフレーズにこうした意味が込められている。

　すでに秋葉原では、筆者が入手したものと同じ端末と思われる並行輸入品のG2を取り扱う店が出ているようだ。国内での正式な発売が待ち遠しいAndroidスマートフォンだ。

（注）技術基準適合証明（技適）を受けていない通信機器の利用は違法になる場合があります。通信機器は各国の法律に基づいて利用してください。

《木暮祐一》

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