映像文化製作者連盟は、優れた短編映像の成果を顕彰する映文連アワード2012の受賞作品を発表した。最優秀作品賞(グランプリ)は、『中央区戦災体験者の証言 空襲編』(毎日映画社)が獲得した。また、主要部門である文部科学大臣賞には『ふじ学徒隊』(海燕社)、そして経済産業大臣賞には『東京モーターショー2011 ホンダブース センター映像』(電通テック)が受賞した。また、準グランプリにあたる優秀作品賞には、3作品が選ばれている。『都市デザインとまちづくり 街の魅力を創る横浜の実践』(ポルケ)、『SEIKO BASEL2012 GRAND SEIKO/SPORTURA』(東北新社)、『櫻本箒製作所』(告畑綾(東京藝術大学大学院 映像研究科))である。応募総数は150本、受賞作品はどれも優れた映像である一方で、ドキュメンタリーから広告、アニメーションと多彩なジャンルから選ばれているのが特徴だ。これは映像文化製作者連盟のミッションが反映されている。映文連アワードは、短編映像業界の活性化、次世代の才能発掘を目指し設立されている。映像の文化的側面からだけでなく、産業的な面にも目を向ける。2012年のコンセプトは、「時代との共鳴」「時代への意思」。キャッチコピーは“この時代を・・・、愛してる”だった。日本の再生と可能性を感じさせる多様な短編映像コンテンツを発信するとしている。グランプリと文部科学大臣賞は、いずれも第ニ次世界大戦にまつわるドキュメンタリーである。経済産業大臣賞『東京モーターショー2011 ホンダブース センター映像』は、これと対照的に最新のCG技術を盛り込んだ映像である。本田技研工業が東京モーターショー2011の自社ブーステーマ「にんげんのきもちいいって なんだろう」を映像化した。100m×3mのスクリーンの映像は各テーマゾーンに連動、シームレスに展開する。映像はコマ撮りとCGとライブダンサーによって表現し、自動車産業の最前線のコンセプト転換を紹介する。準グランプリ(優秀作品賞)には、アニメーションも選ばれている。東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻の告畑綾さんによる『櫻本箒製作所』である。こちらは手間のかかるクレイアニメーションで、日本の田舎の老夫婦の日常を静かに描く。詩情の豊かさが特徴になっている。映文連アワード2012の表彰式は、11月26日(月)13時半から国立新美術館講堂において開催、受賞者に賞状とトロフィーが贈られる。さらに11月27日から29日にかけては、富士フイルム西麻布本社1Fホールにて受賞作品上映会、トークセッションも予定する。社団法人 映像文化製作者連盟http://www.eibunren.or.jp/映文連アワード2012 受賞作品一覧■最優秀作品賞(グランプリ) 『中央区戦災体験者の証言 空襲編』 製作:毎日映画社 クライアント:東京都中央区■文部科学大臣賞 『ふじ学徒隊』 製作:海燕社■経済産業大臣賞 『東京モーターショー2011 ホンダブース センター映像』 製作:電通テック クライアント:本田技研工業 代理店:電通■優秀作品賞(準グランプリ) 『都市デザインとまちづくり 街の魅力を創る横浜の実践』 製作:ポルケ クライアント:紀伊國屋書店 『SEIKO BASEL2012 GRAND SEIKO/SPORTURA』 製作:東北新社 クライアント:セイコーウオッチ 代理店:エリートジャパン 『櫻本箒製作所』 告畑綾(東京藝術大学大学院 映像研究科)