経済産業省は2日、急激に進行している円高による企業への影響と対応についての調査結果を発表した。 それによると、大企業・製造業では1ドル76円の為替レートで企業の15%が深刻な減益。このレートが半年以上継続した場合には、32%が深刻な減益となる。具体的には1円円高が進んだ場合の営業利益の減少額は1億円~10億円未満が最も多く46%を占めた。 対応としては「経営努力、製品設計変更等によるコスト削減」が67%と最も多く、「為替予約によるリスクヘッジが」65%。1ドル76円の為替レートが半年以上継続した場合には、50%超が原材料や部品の海外からの調達量を増加させるとし、46%が「生産工場や研究開発施設の海外移転」と回答した。 また、諸外国からの海外進出の誘致については、18%の企業が「受けている」と回答。企業が政府に対して要望する対策としては、「法人実効税率の引き下げ」が87%と最も多く、「継続的な為替介入」が63%、「経済連携の推進」が58%、「安定的な電力供給」が50%、「生産工場や研究開発施設に対する補助」が47%を占めた。 一方、中小企業では、減益となる企業が7割強に上り、半年継続した場合には、減益を予想する企業が8割を超えた。減益の原因としては、値下げ要請、他国企業との競争激化などが挙がった。外国からの海外進出の誘致をうけている企業もあり、国別では中国が多く、アジアを中心に日本企業への働きかけがあるとしている。