矢野経済研究所は、世界の監視カメラ市場の調査を実施して結果をまとめた。調査は今年4〜7月に日本・欧州・米国・中国・韓国・台湾の主要ブランド監視カメラメーカーを対象に面談や電話などで調べた。調査結果によると、2010年の世界の主要ブランド監視カメラ40社の世界市場規模(出荷数量ベース)は前年比9.2%増の747万台だった。世界的な治安の悪化が懸念されるなか、今後は中国を中心とするアジアや中近東などでの需要増を背景に2011年に798万台、2012年には879万台、2015年に1205万台と年率10%程度の成長率で推移すると予測する。現在の中国市場はアナログカメラが主流で、一部にエンコーダを入れるなどIPカメラへの移行も見られ、中期的にはアナログからデジタルへ切り替わる可能性があると指摘。中国は国土が広く、経済地域も広域にわたることから、将来的には大規模な監視体制が構築される可能性もあると考えられ、今後、中国を中心に世界の監視カメラ市場は急激に拡大すると推測する。