日本人ユーザーも日々増加中の3D仮想空間「セカンドライフ」。第1回に続き、シャ乱Qのはたけさん、「セカンドライフ研究室」の三淵啓自教授に仮想空間を楽しむコツをおうかがいした。◆操作は習うより慣れろ?----初心者にとっては最初のオリエンテーションランドが難しいと思いますが……。三淵:あれはやめたほうがいいよね。はたけ:何のためのものかがわからない(笑)。三淵:オリエンテーションランドを飛ばしたい場合は、検索で「Japan」とか入れて、日本人のSIMに飛んじゃうのが一番いいです。もちろん中にはオリエンテーションランドが必要な人もいるかもしれない。でも、理想としては、いつもボランティアの人たちが何人かいるようなところがあって、その人たちが「こっちにいらっしゃい」という感じであちこち連れて行ったりしてあげることですね。そうすれば多分慣れるのもすごく早いと思うんです。今その辺を含めていろいろと考えてはいるんですけど、人件費だとか考えてもいろいろと難しいですよね。----やりながら慣れてしまう方が早いんでしょうか?三淵:ゲームなんかをやっている人はそうでしょうね。そうでない人にとっても、やはり感覚的に覚えてしまうのが早いだろうと思います。セカンドライフ自体はどちらかというと感覚的なものなので、あまり頭で考えて「ああしよう」「こうしよう」としても思い通りにならなかったりしますから。はたけ:僕ができると思えたのは、世界中で何百万人という人が実際にログインしてセカンドライフを楽しんでいるという事実があるからです。「何百万人にできて、どうして俺にできないんだ」って話じゃないですか。だから「これはきっとできる」「わかってしまえば簡単だ」という自信がもてたんです。◆作るならまずは海苔!----オブジェクトを作ったりするのは結構難しいと思うんですが、慣れるのにどれくらいかかりましたか?はたけ:やり始めて1週間もした頃にはひと通りのものは作れるようになりましたね。でも、今も日々発見はありますね。「このボタンを押したらたまたまこんなのができた」というような。----初心者が練習として手始めに作ってみるのにいいものはありますか?はたけ:ああ、そういえば前に、「こうやって物を作るんだよ」って僕が実際にオブジェクトを作りながら、まだ作れない人に教えたりしていたことがあったんですよ。それで、それから1時間くらいしてその人が「初めての作品作りました」って持ってきたんですけど、それがなんか黒い板なんですよ。「なんやそれ?」って聞いたら「海苔です」って(笑)。----すごい発想ですね(笑)。三淵:クリエイティビティを感じますね(笑)。----まずは海苔から始めるっていうのもいいですね(笑)。はたけ:いいかもね。まず海苔からって。色を変えたりとかいろいろと練習できるし。三淵:そうですよね。----そういうのってほかの人が作っているのを見ながら覚えたりするものなんですか?三淵:英語だったらセカンドライフ内でフリーの教室がたくさんあるんですよ。ところが日本はまだない。私もやりたいんだけれど、自分ではなかなか時間がないんで。本当にそれをボランティアでやってくれる人が増えてくれたらいいなと思っているんですけど、今みんなどうやってお金にしていこうかとか、ビジネスの方に目が行ってるので。だから、はたけさんとかが教えてくれているわけですよ。そういうことをやっている人が少ないというのはちょっと悲しいですね。米国では初心者用の場所があって、そこに行くと時間表が書いてあって、何時から何時までパーティクルの作り方教えますよとかあるんですね。それで、その時間に行くと5〜6人集まっていて、先生役の人が前で一生懸命作ったものをみせて、それを配って、自分たちでもいじってみたりというのをやっているんですね。はたけ:そういう(作り方を解説する)映像を作るといいかもしれないですね。三淵:そうですよね。今そういうのも進めています。----逆に、そういうことを始めるという楽しみ方もありますよね。三淵:ありますね。教えてあげるというのも楽しみなんです。◆迷ったらどこに行けばいい?----入ったはいいけど、どこに行けばいいかわからない人にオススメのスポットはありますか?三淵:いつ行っても楽しいところというのは実はあまりなくて、そのときのイベントにあわせて行くのが一番楽しめると思います。あとはグループに入るというのをおすすめしますね。グループ検索というのがあるので、「Japan」とか「Japanese」とか入力して日本人のグループを探せばたくさん出てきます。あとはSNS。今はNaviSLが一番大きいですかね。そこは会員が1万人以上いて、いろいろな情報があります。イベント情報が書き込んであるカレンダーもあって、今日はどんなイベントが何時からという情報が出ていて便利ですよ。私も「時間取れないし行けないな」と思いながらいつも見てます(笑)。たとえば買い物をしようとか目的があって入ればそれでいいですけど、特に目的を決めずに何か楽しいところというなら、やっぱりイベントがいいかもしれません。あとは、富士山のおみくじですかね(笑)。はたけ:“じゃぱらんど静岡”にあるやつですね。山頂から転げ落ちると、大吉とか凶のボックスに落ちて今日の運勢が占えるんです。あれ日課にしている人たくさんいるんですよ(笑)。三淵:私ね、大吉しか出たことないんですよ。はたけ:えー、すごい! 僕なんか5回連続「凶」とか(笑)。あんまり凶ばっかり出るから、一度並べ替えたことがあるんですよ。それで、自分がはまったところに大吉を置いてみた(笑)。三淵:それでどうでした?はたけ:また凶(笑)。なんやねんって!三淵:(笑)。友達と一緒だったら、目的がなくてもウィンドウショッピングやったりとか買い物したりとかいろいろできますからね。それが一番楽しいと思います。はたけ:友達と遊ぶのが目的になったりするのもありだと思います。三淵:まったくそのとおりですね。私は普段マーケティングだとか比較的堅い話をすることが多いのですが、ビジネスどうのこうのっていわれても、ほとんどの人は「ビジネスはやらないし」って思っちゃいますよね。もっとこういう楽しみ方を一人でも多くの方に伝えていくというのが重要だと思います。----本当にこういうのを伝えるのが大変ですよね。三淵:実際入ってもらって、2〜3時間一緒にいろいろなところを回ってもらえばたいてい「楽しいです」って言ってもらえる。そんな感じの世界なんです。----ちなみに、おふたりに会うにはどの辺に行けばいいですか?三淵:私はやっぱり“デジハリランド”にいることが多いですね。“じゃぱらんど”にいることもありますけど。はたけ:僕は“じゃぱらんど”にいることが多いですね。20〜30時間富士山のおみくじに張り付いていたら1回や2回は会える。三淵:はたけさんを待つ会! どうするんですか、本当に待ってる人が出てきたら(笑)。はたけ:ぜひ待っててほしい……(笑)。----じゃあ、私も早速今度行ってみることにします。本日はありがとうございました。