米シマンテックは2日、世界のIT管理者を対象としたさまざまな調査の結果を公表した。これによると、IT管理者たちはデータセンタの管理の複雑化に苦闘すると同時に、予算と人員の面で厳しい制約に直面していることが明らかになったとしている。 また、このような管理上の課題を軽減するため、IT管理者はストレージ容量の管理や仮想化、Information Technology Infrastructure Library(ITIL)フレームワークなど、さまざまな技術とイニシアチブを採用しているとした。 まず、データセンタが複雑化している要因は?という問いには、「今日のデータセンタにおけるサーバ・アプリケーション・OSの増加」であると全体の85%が回答。さらに、その内の80%は「使用されている管理ツールの増加」を、72%が「自社の環境で使用されるOSの増加」だと指摘している。また、複雑な環境を管理する際の最大の課題として、74%が「管理者の人数削減」としており、「データセンタの予期せぬダウンタイムを招く大きな原因は人的ミス」だと50%が回答している。調査結果によると、データセンタのダウンタイムの主な原因は「アプリケーションエラー」「人的ミス」「ハードウェアの障害」の3点となっているため、より集中化や自動化に優れたツールを活用し、アプリケーションの可用性を強化する必要性があるだろうと同社では分析している。 また、回答者平均では現在9種類のサーバとアプリケーションの管理ツールが使用されているが、その過半数となる56%は、使用中のツールを統合する計画があると答えているという。なお、統合を行う際の主要な検討事項として挙げられているのは、「優れた機能や性能」「コスト」「統合されたプラットフォーム」となっている。 これらの複雑性を軽減するためのプロセス標準化として、99%の回答者が「ITIL/ITSMフレームワーク」の導入を挙げており、18%がすでにITILを導入済み、52%が導入プロセスを実施中であると回答している。また未導入の回答者でも、20%が今後1年以内、9%が今後3年以内にITILを導入予定であると回答しているという。 さらに、ITIL以外の複雑化解消手段として、以下のようなものが導入および導入計画となっているという。・ストレージの割り当てとリソースの管理(87%)・仮想サーバーの管理(80%)・ストレージ容量の管理(68%)・ビジネスの継続性と障害復旧(ディザスタリカバリ)(68%)・アプリケーションの可用性(64%) 今回の調査結果を受けて同社は、Veritasのデータセンタソフトウェアをアピール。データセンターの複雑性の解決において企業を支援する強力な武器となるとコメントしている。