トレンドマイクロは6日、2月度のコンピュータウイルス感染被害報告件数について公表した。これは、日本の同社サポートセンターに寄せられたウイルス被害件数をもとにランク付けを行ったものとなっている。 これによると、2月のウイルス感染被害の総報告数は6,400件と、先月の7,764件から減少。また、流行していた「TROJ_SMALL.EDW」の感染被害報告も、シーケンシャル攻撃が落ち着いたこととウイルスの不正サイトへのアクセスをブロックするURLフィルタリング機能の利用が進んだこともあって報告数が減少しており、収束傾向にあるとしている。ただし、2006年に流行した「ストレーション」のように、間隔を置いてシーケンシャル攻撃が再開される場合も有りえるため安心はできない、ともしている。 個別のウイルスではトロイの木馬系の「TROJ_ZLOB」が増加傾向にあるという。これは、Webページに仕込まれた他の不正プログラムの自動実行などによりダウンロードされ、ユーザのPCに侵入するというもの。感染後は、「Internet Explorer」のスタートページの変更や、指定されたWebサイトから別の不正プログラムをダウンロードしたりするという。 このダウンロードされるファイルには、オンラインゲームのアカウント情報を盗むスパイウェアなどが確認されており、Webを介して感染活動を多様化させていく近年の典型的なパターンだといえるとしている。 また、この期間にはスーパーボウルやバレンタインデーなどのイベントに便乗したウイルスや、MSNメッセンジャー/Webメールで感染を広げるウイルス、Windowsの新しいセキュリティホールを悪用するウイルスなど、新しいウイルスの発見が続いているという。このため、全体の報告数が減少傾向であっても引き続き最新のセキュリティ情報には注意が必要だとしている。 2月度のウィルスランキングは以下のとおり(末尾は先月順位)。【1位】TROJ_ZLOB(トロイの木馬型):99件(圏外)【2位】BKDR_AGENT(バックドア):67件(1位)【3位】WORM_RBOT(ワーム型):39件(3位)【4位】TROJ_SMALL.EDW(ワーム型):31件(4位)【5位】WORM_SDBOT(ワーム型):28件(6位)【6位】WORM_VB(ワーム型):27件(圏外)【7位】ADWARE_BESTOFFERS(アドウェア):25件(10位)【8位】ADW_SHOPNAV(アドウェア):21件(圏外)【9位】ADW_GAIN(アドウェア):16件(圏外)【10位】TROJ_ADCLICKE.CI(トロイの木馬型):15件(圏外)