最初に登壇したウィルコム代表取締役社長の喜久川政樹氏は、「No Limit, and good communication.」ということで、データ定額サービスや音声定額サービスを実現してきたことを強調した。そして今回発表されたのが、すでに実施中のサービスだが、音声定額サービスの新しいファミリーパックと法人割引。どちらも3人以上の契約の場合に、全員一律2,200円になるといもの(ふたりまでは従来と同様)。ほかにも、固定電話や他社携帯へ一定時間無料で通話できる「070以外もお得な通話パック」が、3月からは自動繰り越しがスタートになることや、端末を紛失した際のリモートロック代行サービスの発表も行われた。
個人向けの新端末では、京セラから「WX320K REAL METAL FACE」が発表された。PHS高度化通信規格W-OAM(WILCOM Optimaized Adaptive Modulation)対応で、データ通信の高速化と音声通話のつながりの向上が実現している。発表会では、W-OAMと従来方式の通話のつながりやすさの比較実験の映像も放映され、従来方式ではあきらかに音が途切れるアンテナ1〜2本の電波の届きにくい建物内の奥まったところなどでも、W-OAMは途切れていなかった。WX320K REAL METAL FACEのデザイン的な特徴はアルミの肌触りのリアルマテリアル。約26万色表示の2.2インチQVGAディスプレイ。Operaブラウザを搭載しており、204kbpsでの高速ブラウジングを可能としている。またインターネット関連ではRSSリーダー対応のほか、メールがPOP3・SMTP対応で自宅などのメールアドレスの利用が可能となっている。世界標準のJava MIDP2.0に対応した点もポイント。プリセットされているタイトーのブロック崩し「アルカノイド」など、各種Java対応ゲームを楽しめる。また、搭載カメラは130万画素を有しており、最大でSXGA(1280×960)で撮影可能。マクロ撮影やデジタルズーム撮影などの機能も充実している。カラーリングはレッド、シルバー、ブラックの3種類。2月中旬発売予定で、ストア予定価格は16,000円前後となっている。
さらに新製品としては、W-OAMの強化版「W-OAM Type G」に対応したカード「AX530IN」が、ネットインデックスから発売となる。PHSでは初めてのQAM(直交振幅変調)に対応しており、今年の春に16〜64QAMを実現し、最大512kbpsの通信速度を実現する予定だ。そして高速適応変調方式を採用しており、BPSKから64QAMまでの最適な変調方式をより速くかつスムーズに切り替えられ、安定して通信が行えるようになっているのも大きな特徴。また2007年度以降、ウィルコムではPHS基地局回線の大容量通信光IP化を順次行っていくので、AX530INは将来的には最大800kbpsを実現するとしている。今年春の発売を予定していて、価格は未定だ。