今までコラムで取り上げてきた、「ユニキャストによるストリーミング配信」は、クライアントの数が増えれば増えるほど、サーバに負荷がかかる上、ネットワークの帯域を浪費してしまいます。たとえば、500kbpsのコンテンツを20人にストリーミング配信する場合、サーバ側では、10Mbpsの帯域が必要になります。 一方、「マルチキャストによるストリーミング配信」は、1つのデータコピーをマルチキャストアドレス(グループ)に送信し、クライアントは、マルチキャストのグループにジョインするという形態になっています。データの複数コピーは、データを要求していないクライアントには送信されないので、効率よく配信することができます。たとえば、500kbpsのストリーム配信を20人に配信する場合でも、サーバ側に500kbpsの帯域があればよいのです。 ただし、マルチキャストで配信するには、サーバ、メディア プレイヤ、ルータ、スイッチ、その他すべてのネットワーク機器がマルチキャストに対応している必要があります。もちろん、Windows Media 9もマルチキャストに対応しています。しかし、インターネット上のすべてのネットワーク機器がマルチキャストに対応しているとは限りません。このため、マルチキャストはイントラネット上で多く使用されています。そこで今回は、イントラネット内のクライアントにWindows Mediaサービス9(以下、WMS9)を使ってマルチキャスト配信する方法を紹介します。(佐藤めぐみ:コラム本文へ)