![]() | イー・アクセス資料より、フィールドデータの分布。2kmまでは24Mサービスより数Mbpsアップ、2km以遠も10%以上の向上を達成している |
ADSLプラスQには、センティリアム社の最新DSLチップセットが採用されている。24Mサービスと比較して、周波数帯域の拡大(2.2MHz→3.75MHz)や、ビン(周波数ブロック)あたりの転送ビット数のアップ(15ビット→16ビット超)などの違いがある。これにより、短距離での大幅な通信速度の向上や、中距離での通信速度の改善が達成されているとのこと。また、電話線とのインターフェース部分にあたるADコンバータなど「アナログフロントエンド」と呼ばれる部分の性能向上によって速度への影響が減り、2km以遠でも500kbps程度の速度向上ができたとしている。
仕組みや理論値だけでなく、フィールド試験でも24M方式より通信速度のアップが確認され、特に近距離では非常に大きな速度向上を実現している。フィールドテストでの最高速度は36.5Mbps(線路長550メートル)、ラボにおいては40Mbpsを達成しているとのことだ。
■2kmまで(リンク速度)
距離区分[m] | 500 〜1000 | 1000 〜1500 | 1500 〜2000 |
24M下り (kbps、平均) | 15,104 | 12,368 | 8,745 |
40M下り (kbps、平均) | 27,944 | 20,096 | 12,045 |
下り速度差分 | +12,840 kbps | +7,728 kbps | +3,300 kbps |
■2km以遠(リンク速度)
距離区分[m] | 2000 〜2500 | 2500 〜3000 | 3000 〜3500 |
24M下り (kbps、平均) | 5,009 | 3,115 | 2,662 |
40M下り (kbps、平均) | 5,720 | 3,584 | 3,104 |
下り速度差分 | +711 kbps | +469 kbps | +442 kbps |
このフィールド試験の集計からすると、24Mサービスにおいてモデムの下りリンクアップ速度が10000kbpsを超えているユーザ(上記グラフの1000〜1500のあたり)であれば、大幅な速度改善が期待できそうである。余談ではあるが、RBB TODAYの速度計測サービス「speed.rbbtoday.com」でもイー・アクセス回線に20Mbpsを超える計測結果がぱらぱらと出てきており、従来の24Mサービスより速度が出るのは確かなようだ(注:テスト回線ということでランキングには反映していない)。
イー・アクセスでは、フィールドで顧客に提供するサービスとしては速度はほぼ上限に達したとみており、今後は中距離でのパフォーマンス向上や、現在1Mbpsどまりとなっている上り速度の高速化などをはかっていきたいとしている。
![]() | イー・アクセス資料より、距離による速度変化の概要を示したグラフ。1kmから1.5kmあたりでは、プラスQ(40M)はプラス |