日立製作所 中央研究所は、無線LANのスループットを約5倍に高める「統合パケット管理機能」と、無線LAN端末の位置を1メートルの精度で検出できる「位置検出機能」を開発したと発表した。 統合パケット管理機能は、複数アクセスポイントからの電波が干渉してスループットが低下するのを防ぐというもので、「無線LAN管理サーバ」がそれぞれのアクセスポイントの指向性アンテナや送信出力の調整、パケットスケジューリングを行う。これにより、標準的なオフィス環境(5平方メートルあたり1端末)でシステム全体のスループットを約5倍に高められるという。 位置検出機能は、3つの基地局を使って無線LAN端末の位置を計測する。GPSと違って屋内でも利用できるほか、最寄りの基地局を使っての位置判定(数10m〜100m)よりも高精度に計測できる(精度1m)。位置精度が高いことで、屋内での歩行者ナビゲーションなどが可能になるとしている。 日立では、この2つの技術の事業化を進める計画で、オフィスや公衆無線サービスなどでの利用を見込んでいる。