東芝は29日、1分間で電池容量の80%まで、数分間でフル充電できるキャパシタ並みの急速充電性能と、リチウムイオン電池の特徴である体積エネルギー密度の高さを併せ持つ、新型の充電池を開発したと発表した。 新型電池では、負極材料にリチウムイオンをスムーズに吸蔵し、かつ急速に充電しても有機電解液を分解することのないナノ微粒子を新材料として採用。この新材料は、ナノ微粒子を均一に固定する技術を新たに開発したことで、初めて電極化できたという。 リチウムイオン電池は小型で大容量という特徴となるが、新型電池も従来のリチウムイオン電池と同様、体積換算でキャパシタの数十倍のエネルギー密度を持っている。 同社では、試作したラミネート型電池(幅35×高さ62×厚さ3.8mm、容量600mAh)で、急速充電サイクル評価を実施したところ、1,000サイクル後の容量低下は1%という優れた寿命性能を確認したとのこと。 −40度の低温環境でも室温(25度)の80%の放電容量(1時間放電率)を維持可能。また、45度の高温環境でも優れたサイクル寿命性能を維持しており、1,000サイクル後の容量低下は5%以内としている。 さらに、従来のリチウムイオン電池が採用されることのなかった、大電流を必要とする車両用電力回生システムなどへの応用も考えられ、2006年中の製品化を目指しているという。