b-384は、画像ファイルの圧縮のほかTCP/IPの最適化やHTMLファイルの送信手順にまで手が加えられているのが特徴。同社では、これらの技術を組み合わせることで、PHSの最大128kbpsのパケット通信を用いて体感速度で最大384kbpsを目指しているのだ。
あらたに導入されたこれらの最適化技術はどれほど有用なのか。早速、このb-384を試してみた。
利用するには、まず「b-384クライアント」の導入が必要だ。しかし、b-384クライアントのインストーラーが行うPCの環境チェックで「Norton Internet Security」が検出された。マニュアルにも一部のセキュリティ対策ソフトがインストールされているとb-384が利用できない場合があるとの記載が見られたが、どうやらInternet Securityがそれに当たるようだ。Internet Securityには、ウイルス対策ソフト「Aunti Virus」と「Personal Firewall」が含まれており、これらを無効化させても同じようなメッセージが出てきて、結局インストールが進まなかった。そのため、Internet Securityをアンインストールしたのちb-384クライアントのインストールを行った。
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PCの環境チェックの結果。ちなみに、b-384を導入してからInternet Securityのインストールを行うと2つのソフトの共存が可能になる。しかし、この場合Personal Firewallの機能を止めるないとb-384クライアントが利用できない |
また、b-384を利用する場合は通常のbモバイルのダイアルアップ先とは別になるので、こちらも別途設定する必要がある。
先に設定したダイアルアップ先に接続し、b-384クライアントを立ち上げると高速化技術が利用できる。b-384クライアントの設定はいたって簡単だ。基本的には、b-384機能をオン/オフを切り替えるボタン、「高速」または「低速」の最適化レベルの選択、「OK」のボタンのみで済むだろう。
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b-384のクライアント。インターフェイスはシンプル |
以上の準備が整ったところで、RBB TODAYのトップページのロード時間を測定した。測定は、12月25日14時〜15時に実施。各条件ごとに5回ずつ測定し平均値を取った。
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圧縮なしを100とした場合の各条件でのロードに要した時間(クリックで拡大) |
この結果、圧縮や最適化を行わなかった場合の時間を100とすると、b-384のデフォルトの設定(最適化レベル低速)だと61.7、最適化レベル高速の場合は若干短い57という値になった。ちなみに、bモバイルで従来から提供している一番圧縮率が高いWebアクセサレータ「Ian」を用いると62.4で、b-384のデフォルトの設定よりも若干時間がかかる結果が出た。
このようにWebアクセサレータのIanとb-384の最適化レベル低速では、表示にかかる時間にほとんど差がみられない。しかし、IanではJPEG画像の圧縮率が高くなるため白黒で表示されてしまうのだ。一方のb-384ではこのような現象は見られず、オリジナルの画像と比較しても遜色なく表示されている。一見すると高速化技術を用いていると気がつかないほどだ。
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(左)b-384利用時(右)Ian利用時。ロードにかかる時間はほぼ同じだが、画像の品質が明らかに違うのが分かる(クリックで拡大) |
しかし、先ほど挙げたように各種セキュリティ対策ソフトがあると、b-384クライアントがインストールできないのは気になる。確かに、TCP/IPの最適化を行うためセキュリティ対策ソフトが影響を及ぼすのは十分理解できるが、これらのソフトをアンインストールしたり止めたりするは非常に危険だ。個人向けに広く提供する際はこの点を改善する必要があるだろう。