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ジュピターテレコム企画部課長 地平氏 |
局までの配線を共用するからユーザが増えると速度が下がるといわれるケーブルインターネットだが、J-COMによれば、ヘッドエンドモデムや局間のトラフィックを監視し、トラフィックがあふれる前に機器増設をおこなっているという。実効速度についても、速度測定サイトの結果では90%点(速いほうから10%目)でこそ12M ADSLに負けるものの、20%点や中央値で12M ADSLより高い数値をとなっているとし、距離に影響されないCATVの特性のによって速度面でも十分なアドバンテージがあるとした。
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集線部で計測されたトラフィックのグラフ。グラフ上端が帯域の上限で、そこまでいっていないということは帯域に余裕があるということ |
サービス | 下りスループット(Mbps) | ||
20%点 | 中央値 | 90%点 | |
Bフレッツ ベーシック(100M) | 4.4 | 8.5 | 19.1 |
Bフレッツ ファミリー(10M) | 2.8 | 5.1 | 9.2 |
J-COM@NetHome 8M | 1.4 | 2.5 | 4.2 |
アッカ・OCN 8M | 1.1 | 2.5 | 5.1 |
アッカ・So-net 8M | 1.1 | 2.5 | 5.3 |
Yahoo!BB 12M | 0.93 | 2.0 | 5.2 |
J-DSL・ODN 8M | 0.84 | 1.3 | 4.0 |
J-COM ZAQ 8M | 0.81 | 1.6 | 3.60 |
Yahoo!BB 8M | 0.72 | 2.2 | 5.4 |
SpeedNet無線 1.5M | 0.59 | 0.89 | 1.4 |
「J-COM Net」については、8Mサービスで月額5,500円ということで割高な印象のあるが、モデムレンタル料が含まれていることや、5人分のメールアカウントやホームページスペース、メールウイルスチェック、URLフィルタリングなど特に家庭向けのサービスが基本サービスに含まれていると説明、一方でADSLではNTT加入電話の基本料金を含めれば5,000円以上かかると指摘し、J-COM NetサービスはADSLと比べても高くないと述べた。(J-COMは、110番通報なども可能な第一電話サービス「J-COM Phone」を提供しているため、やろうと思えば加入者はNTT回線を完全に取り外せる)
なお、他社で始まった20Mbps〜30Mbpsのサービスメニューや、100Mbps超のケーブルインターネット、あるいはHFC網(光・同軸ハイブリッド)から完全FTTHへの移行といったよりより高速なサービスの提供については、検討はしているものの今後のスケジュールとして特に明言できる状況ではないと述べるにとどまった。
ちなみにJ-COMでは網の大部分(98%)をHFC化しており、あとはノードからユーザ宅までを同軸ケーブルから光ファイバに変更すると「FTTH」になるわけだが、J-COM西東京局(具体的には東村山市)で実際にFTTH化する実験がおこなわれた。ただ、こうした完全な光ファイバ化については、TVなど他サービスを移行できる状況になってからのことだということで、具体的なFTTHへの参入はまだ当分なさそうだ。