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アッカ・ネットワークス取締役 営業・マーケティング本部長 鴨下隆一氏 |
8MbpsオーバーのADSLについては、アッカでは10Mbpsサービスと12Mbpsサービスが予定されている。このうち、「S=1/2技術採用」ファームによる10Mbpsサービスは、リンク速度が8Mbpsで頭打ちになっているユーザの上限を10Mbpsまで広げることができるというもので、8Mbps未満のリンク速度のユーザにとっては残念ながら恩恵はない。一方、「C.x」対応の新モデムで提供する12Mbpsサービスについては、8Mサービスと比べて、ユーザが全体的に500kbps〜1Mbpsの増速になり、遠距離(4.5kmオーバー、最大7km程度)にもサービスを提供できる。
この12Mbpsサービスの料金については「企業努力でなんとかできるのではないか」といった言い方で、現8Mbpsサービスと同程度で提供する可能性を匂わせた。「この秋」とされていた提供時期についても、一部で限定的に早期サービスインをおこなうことを検討中だという。
なお、現在534局舎で一段落しているADSLサービスの提供エリアについても、ふたたび拡大を始めるということで、今年中に600局に拡大、それ以上の拡大も行っていくと述べた。
一方、個人向けFTTHサービスについては、収益性を維持するため現加入者の実住所をもとに利用者がどれぐらい期待できるかを判断、ペイするかどうかを見極めたうえでエリア展開していくつもりだと述べた。アッカ社内では電柱などに設置されたPON(Passive Optical Network)機器から半径200m以内のユーザ数を確認できる仕組みを構築しているという。
現在は個人向けのサービスという印象の強いADSLサービスだが、アッカとしては、負荷分散やマネージドネットワークなどによって法人向けサービス並みの品質を安定的に提供できることをアピールすることで、法人ユーザに対しても広げていく方針。実際、現在でもミニマムセルレート(最低のセル転送レート)の設定によって、収容局からISPまでの通信速度を保証しているという。将来的にADSLの時代が終わってFTTH時代が来ても、足回りのアクセスラインがDSLからFTTHになるだけでサービスを支えるバックボーンや顧客サービスといった部分は変わらないとし、いつかは来る「ADSLの先」についても自信をのぞかせていた。