3月22日のMBSテレビ『住人十色』では、「メリットだらけ! 友達と隣同士で庭も子育ても賢くシェアする家」が放送される。
今回番組で紹介されるのは、友達と隣同士で土地を買い、一緒に建てた家。住人(アルジ)は4人家族で、1年半前に東京から鎌倉に移住した。新居は美術館のようなスタイリッシュな外観で、夫妻の建築事務所が手前にあり、四方を建物で囲まれた大きな中庭が広がる。

玄関開けてすぐのスペースはリビングで、その隣は開放的なダイニングキッチン。大きな窓と中庭は繋がっていて、フルオープンにするとまるで外のような空間になる。そんなダイニングから中庭に出てみると、なぜか敷地内に来客でもなさそうな謎の家族の姿があり、彼らはここは自分の庭だと主張していた。実はこの4人家族は、住人(アルジ)一家の友達だった。つまり、中庭を囲む形で住人(アルジ)の家と友達の家が建ち、中庭はみんなでシェアしているのだ。


結婚後、都内のマンションで暮らしていた住人(アルジ)一家。長男が小学校に上がるタイミングで一軒家を計画し、憧れの北鎌倉に土地を購入した。偶然にも、その隣の土地が空いていたため、同時期に土地を探していた友人夫妻に声を掛けたのだという。そこで友人も隣の敷地を購入し、友人同士という利点を生かし、塀や仕切りを作らずお互いの敷地を合わせて広い中庭を実現させた。
ただ、妻同士は中学時代からの大親友だったが、夫同士は数回会っただけ。それでも快諾したのは、中庭を共有すること以外にもメリットがあったからだ。実は、どちらの夫妻もフルタイムで共働き。そこで「4人で4人の子どもを育てる」という子育ての時間もシェアをすることで、子育てもキャリアも諦めない暮らしを目指したのだった。とはいえ、お互いのプライバシーはしっかり確保しており、住人(アルジ)の家のメインスペースは1階、友人宅は2階に設け、視線が合わないようにしている。
住人(アルジ)の家でダイニングの中心にあるのが、オーダーメイドのダイニングテーブル。キッチンのシンクが一体型になっているので、調理と配膳が同時進行できる忙しい夫妻にはぴったりの形だ。さらにテーブルの下やキッチンの死角など、目に入らない場所は扉をつけない収納にすることで、すぐにものが取り出せるうえ、すっきりと片付いて見える。
浴室は贅沢な檜風呂。高級そうなイメージだが、実は既製品なのでプラスチックの浴槽と金額的にはあまり変わらないのだとか。しかも檜には殺菌効果があり、お手入れは意外にも簡単。水はけがいいので、掃除機で底を吸うだけで掃除が完了するという。

2階は子ども部屋だが、子ども同士は隣の家と自由に行き来しており、もはや4人の子ども部屋になっている。

一方、2階にリビングダイニングがある隣の友人宅。大開口からは中庭が一望でき、子どもたちをいつでも見守れるようになっている。そんな眺めのいいダイニングで一番の楽しみが、大人たちの晩酌タイムだ。レストランに行かなくても、子どもを遊ばせたまま友達同士でゆっくりと食事できる。さらに、プライバシーのある大きな中庭ではバーベキューも可能。近隣の目も気にならず、大人も子どももゆったりと楽しめる。

友達との暮らしは一見、大胆な挑戦にも思えるが、妻は「依存し合ってる感じではなく、いざというときにいてくれる心強さがあると思います」と話し、夫も「昔と違って、おじいちゃんやおばあちゃんもまだ働いていたりするので、なかなか頼れない。それなら同世代で助け合った方がいい」とメリットを語る。